19日、日本百貨店協会が発表した10月の「全国百貨店売上高」(既存店ベース)によれば、前年同月比0.6%ダウンの4907億円と、3ヶ月ぶりに前年実績を割り込む結果となった。台風の影響などにより思うように客足が伸びなかったほか、10月前半の気温が高かったために、秋物の衣料品などの売り上げが不調だったことが影響を及ぼしたとみられる。しかし、東京や大阪などの大都市での売り上げがプラスであったため、全体としては小規模なマイナスにとどまる結果となった。
10月前半の気温の高さと共に、3つの台風が接近、上陸などの天候不順に見舞われ、季節品の売り上げや来店客数などに影響がみられ、特に売り上げの約4割のシェアである秋物・冬物の衣料品の売り上げが振るわなかった模様。
訪日外国人は東南アジアが好調で、さらに国慶節休暇の中国も回復傾向にあり、売上高、客数共に前年比約2.5倍という結果となった。また訪日外国人は、美術品、宝飾品、貴金属などの売り上げにも影響を及ぼしているとのこと。
調査の対象となった百貨店は85社、242店舗。東京では3ヶ月連続でプラスとなり、前年比1.2%のアップだった。1~10月の累計では、前年同期比で1.5%のアップであり、日本百貨店協会の井出陽一郎専務理事によれば、「今のままの状態であれば、年間でプラスとなると予測している」とのこと。
また21日、日本百貨店協会は理事会を開き、最近世間を賑わせている「食品誤表示問題」に関して原因究明のための調査や、再発の防止策を取りまとめる特別委員会の設置を決定する予定だ。また、加盟している百貨店や外食産業の事業者といった関係者向けに、ガイドラインなども定められる。その特別委員会には、弁護士などの外部からの有識者なども参加する予定。委員会で取りまとめられた内容に関しては、11月に消費者庁に報告が行われる模様だ。
この「食品誤表示問題」に関して、井出陽一郎専務理事は、「今のところ、マイナスの影響はほとんど表れていない」とし、「今度消費者に対してさらに説明を行い、信頼回復に努めたい」と述べた。(編集担当:滝川幸平)