伊勢丹の百貨店としてのアイコンでもある、タータンチェックのショッピングバッグ(紙袋)が、55年ぶりに新しいタータンに変わる。10月30日にリニューアルが実施されるという。これまでの色・柄を見直し、新しくオリジナルのタータン「マクミラン/イセタン」に一新する。
タータンチェックはスコットランドの織物で、バグパイプ奏者などの男性の正装であるキルトと呼ばれるスカートの柄としても有名だ。独特の色と柄は家紋(ハウスチェック)としても機能する。そのためスコットランドには、全世界のタータンを一括して国が管理する「スコットランド・タータン登記所」という組織がある。また、タータンのプロモーションを目的とした「スコットランド・タータン協会」という非営利団体もある。伊勢丹は昨年、同協会から「長年にわたって日本でタータンのプロモーションに貢献した」としてタータンアワード「パッケージ部門(Best Use of Tartan in Packaging)」を授与された。
これを機に、伊勢丹はあらためてオリジナルのタータン生地を織って「マクミラン/イセタン」として前述の登記所で正式に登録した。今後は「マクミラン/イセタン」を新しい伊勢丹のブランディングツール、アイコンとして活用、さまざまなプロモーションを行なっていくという。
そもそも伊勢丹タータンのルーツは、1956年ティーンエイジャーショップが新宿店にオープンことに始まる。そのショップでタータンを使ったスカートやマフラーなどのアイテムが人気を集め、次々にタータン商品を拡大した。1958年頃にティーンエイジャーショップ限定でタータン柄のショッピングバッグを導入。この紙袋が人気を集め、後に全館で使用されることになったという。そもそも、その頃、商品は包装紙で包むのがふつうで、紙袋に入れて顧客に手渡すことが新鮮だったようだ。
このタータンのリニューアルを機に伊勢丹ではさまざまな催事を企画、リニューアル当日の10月30日から新宿店1階ザ・ステージで「ワタシノタカラバコ」と題したイベントを、また全館で「ISETAN TARTAN」企画がスタートする。
1958年には紙袋で商品を手渡されたコトが新鮮だったように、時代は変わり今回のリニューアル、果たして何か新鮮なモノやコト、提案はあるのだろうか?(編集担当:吉田恒)