秋物が売れ、主要百貨店の9月売上高、前年比増

2013年10月03日 09:12

 1日、百貨店主要4社が発表した9月の売上高(速報)は、4社そろって前年比プラスとなり、また全社揃って2ヶ月連続で前年実績を上回る結果となった。4社とも、14、15、16日の最初の3連休には台風の影響などの天候不順に見舞われ伸び悩んだものの、気温が下がり始めるにしたがって、秋物のファッションが順調に売り上げを伸ばし、また高額商品の売上も引き続き好調に推移している模様。

 三越伊勢丹ホールディングス<3099>傘下の三越伊勢丹は、前年比8.4%アップと高い伸び率となり、今年の2月から8ヶ月連続で増加し続けている。三越伊勢丹の関係者によれば、「ウールやダウン、レザーなどの素材を使用したコートやジャケットが順調に売れているほか、トレンド感のあるセーターやスカートなどの衣料品や、ブーツ、ストールなどの秋冬物アイテムも好調に売れている」とのこと。

 大丸と松坂屋を運営するJ.フロントリテイリング<3086>は前年比1.9%アップ、高島屋<8233>は前年比2.6%アップ、セブン&アイ・ホールディングス<3382>傘下のそごう・西武は前年比2.2%アップと、各社の前年比は軒並み増加した。Jフロントリテイリングの関係者は、「21、22、23日の3連休で、台風によって中部地方や関西地区を中心にマイナスの影響を受けたものの、婦人ジャケット、ニットやパンプスなど秋物ファッションに好調な動きが見られた」と述べている。

 ただし、1日の午後に安倍晋三首相が、消費税率を5%から8%に引き上げることを表明した。高島屋の鈴木弘治社長は、「個人の消費は本格的な回復に至っていない」という慎重な見方をしており、また三越伊勢丹も4月以降は「消費はいったん減速するのではないか」との見方を示している。そうした消費税増税を受けて、高島屋などは「富裕層や外国人観光客など、消費税増税の影響を受けない層に向けた対策を模索したい」とするなど、各社とも増税対策を練ってはいるものの、価格表示を含め、好調に推移している売上を維持するための課題は、まだなお多く残されている。(編集担当:滝川幸平)