「ハイブリッド」フルラインのTOYOTA余裕のシェア50%オーバー 自動車国内販売実績

2013年11月01日 08:09

自動車

自販連の「1~6月メーカー別販売」「4~9月メーカー別販売」から抜粋。そのため、メーカーごとの数値の合計と登録車総数は一致しません。

 10月28日発表、国内各社&自販連。この数字を見て思うことは、日本国内の「自動車需要は『継続的な減少傾向』にある」ということだ。しかし、「1~6月期」よりも「4~6月期」にやや明るい見通しが見出せそうな印象だ。ただし、今後のメーカーごとの浮沈は東京モーターショーを挟んだ下半期にありそうだ。

 多勢ハイブリッド軍団を擁する「トヨタ」(レクサス含む)がシェアで5割を超える勢いながら、対前年比では分母が大きいだけに、落ち込みが目立つ。ただし、2012年にハイブリッド車の販売台数が全体の40%だったが、2012年末クラウンの発表後にそのハイブリッドが牽引する形で販売を伸ばした。さらに、SAIの大規模なマイチェン、カローラへのハイブリッドモデルの追加などで4〜9月期は、その前の1〜6月期から前年同期比で大きく回復している。「トヨタHV軍団、強し」という印象だ。

 2013年7月にはトヨタ・ハイブリッド車の長兄であるプリウスが累計販売300万台をグローバルで達成した。さらに東京モーターショー開幕を控えて、レクサスGSにクラウンのハイブリッドユニットが移植されて発売。一時、フェイドアウトしてモデル存続が危ぶまれたハリアーも新型を間もなく発売、ハイブリッドバージョンもリリースされる予定だ。トヨタ車ハイブリッド構成比は50%を超えるかも知れない。

 伸長著しいメーカーは、富士重工業だ。国内では三菱を完全に抜き去ってマツダに迫る勢いである。海外生産を含めたグローバルな生産・販売ではまだまだながら、国内4位のマツダに肉薄するスバル、商品力が「スバリスト」と呼ばれる「六連星ファン」だけではなく、一般に評価された結果か。 そのスバルのクルマがブランドとして消費者に最初に認知されたのは、1990年代のスポーティなステーションワゴンだ。ステーションワゴンを所有することで「豊かなライフシーンを想像させた」レガシィのヒットだ。特に1993年に登場した2代目レガシィは、高価(20年前で当時350万円超)なGT-Bがメイン車種として売れに売れた。このあたりで、世界でも例を見ない独自の水平対向ターボエンジンとバランスに優れたシンメトリカル4WDシステムの組み合わせで、地上最強のステーションワゴン「レガシィ」というブランドが確立したように思う。同時に、その頃、WRC(世界ラリー選手権)における覇権争いでもSUBARUの優勢が続いた。

 1〜6月期に次いで4〜9月期の販売数字で危険水域と思えるホンダは、まったく余裕があるようだ。登録車は減少傾向が続いたが、この統計には現れない、軽自動車の「Nシリーズ」が抜群の成績を残しているからだ。加えてインターナショナルな実績では前年実績を軽々と超えている。もはや、ホンダは日本企業とは言えないのかもしれない。しかも、この夏にモデルチェンジした世界最高燃費(クラス最高)を掲げた新型フィット・ハイブリッド、ハイブリッド車だけのラインアップ新型アコードが絶好調。9月の単月だけを見ると、ホンダ車販売7万4779台(前年比140.1%)となっている。加えて、大規模なイメージチェンジを果たすホンダ製ミニバンの大型俳優「新型オデッセイ」が間もなく登場する。東京モーターショーでは、軽オープンスポーツの「S660」もデビューする予定だ。

 マツダは、国内販売について特にコメントを寄せていない。デビューしたばかりのアクセラの受注状況に注目したい。また、三菱についてはコメント不能といったところ。この実績は危険水域を超えたか。

 驚異的なのは輸入車の項。2011年を除いて堅実に(毎年10%以上だから驚異的に)シェアを伸ばし、輸入車をブランドとして捉えるならホンダを抜いて、トヨタ、日産に次ぐ3位にいるのだ。(編集担当:吉田恒)