2014年以降の東電の未来を握る、柏崎原発の再稼働

2014年01月01日 17:16

 昨年12月25日、東京電力<9501>と原子力損害賠償支援機構は、新しい「総合特別事業計画(再建計画)」を決定した。それは、電力競争が本格化すると予想される2016年度までに損害賠償の原資となる収益の持ち直しを図りつつ、生き残りを目指すといったものだ。しかしそのためには、柏崎刈羽原発(新潟県)が再稼働できるかどうかポイントとなる。

 再建計画では、16年に電力小売りが全面自由化となることを見越し、発送電分離を先取りして持ち株会制に移行し、柏崎刈羽原発を順次再稼働させて収益を確保するというプランを立てている。そしてこれまで引き上げていた電気料金も値下げを行い、他の会社との競争力アップを図る。

 しかしこうしたプランの成功の鍵を握るのは、やはり柏崎刈羽原発の再稼働が叶うかどうか。そして再稼働のためには新潟県の泉田裕彦知事ら地元の人々から同意を得ることが必要となるが、その見通しも未だ立っていない。

 もしこの再稼働が実現しないとなれば、火力発電の燃料費がかさむことで料金は高止まりし、自由化によって起きることが予想される競争に勝てず、収益の確保もままならず、最終的には経常黒字すら危うくなる。

 原子力損害賠償支援機構では、「計画はベストと思われる要素の集合体。それが上手く進むかどうかは再稼働次第」という声も挙がっている。さらには東京電力の中からも、「実務に基づいた将来へのヴィジョンというよりも、作文に近いのでは」とった声も出ている。もしこの再建計画が破綻することとなれば、電気料金の値上げに頼るほかしかない。しかし、そのことに必ずしも利用者が納得するとは限らない。

 また再建計画では、汚染水対策に国費を投入したり、除染費用に関する東京電力の負担を軽減したりといった、国に頼る側面も強く表れている。一時、東京電力が負担する除染費用は5兆円以上とも言われていたが、東京電力はこれに対して「すべて負担することは出来ない」と国へ分担を求めていた。

 結果的に、除染費用は東京電力株の売却益で帳尻を合わせるということになったものの、必ずしもこれで除染費用を賄えるかどうかは分からない。もし足りないということになれば、結局東京電力やほかの電力会社が負担することとなり、それはそのまま電気料金へ上乗せされる可能性もある。

 14年3月で原発事故発生から丸3年が経つが、それが残した傷跡はまだなお国民の両肩に重くのしかかろうとしている。(編集担当:滝川幸平)