東電、プール燃料取り出しを今月中旬にも開始

2013年11月10日 12:56

 今月中旬にも、東京電力<9501>による、福島第1原子力発電所4号機原子炉建屋内の燃料プールに貯蔵されている、約1500体の燃料を取り出し、近くの共用プールに移送する作業が開始される予定だ。過酷事故が発生した現場のプールから燃料を取り出す作業は、世界的にも前例がなく、海外からも注目が集まっている。

 燃料の取り出しと共用プールへの移送は、これまでも通常の作業として行われてきた。しかしその一方で、事故の影響によりプール内に多くのがれきが存在していることがリスクとなるのではないかとの指摘もなされており、極めて危険性の高い核燃料を扱う作業なだけに、「絶対に間違いを起こしてはならない」(原子力規制委員会・田中俊一委員長)とされている。燃料取り出し作業及び、共用プールへの移送作業は、1年以上続く予定だ。

 使用済み燃料プールから燃料を取り出す作業そのものは、どこの原子力発電所でも行われている。取り出した燃料は「キャスク」と呼ばれる金属製の円筒形容器に格納され、4号機の近くにある建物内の共用プールに移送される。しかし、事故発生当時の水素爆発により、原子炉建屋が大破した4号機ではこれまで通りの作業を行うことが出来ず、作業開始までに、大掛かりな準備工事が必要となった。

 作業現場では、パネルによって原子炉建屋の外壁や屋根を覆い、建屋上部の一部と南側の建屋外壁を「逆L字型」に囲む鉄骨の構造物を設置する。この鉄骨構造が、燃料をつり上げる装置としての役割と、燃料を水平に移送する天井クレーンを支える役割をはたす。

 こうした構造物や装置の取り付けにより、事故発生から2年8ヶ月経ってようやく取り出し作業に着手することが可能となった。東京電力は今回の取り出し作業について、「福島第1の安定化、そして廃炉に向けた大きな進展」と位置付けている。

 1年以上に渡る作業は、その期間中に相当規模の地震の発生も想定しておかなければならないが、これに対して東京電力は、「地震に対する強度は余裕をもって作られており、2年前のような規模の地震が起こっても耐えられる」と強調した。(編集担当:滝川幸平)