「景気回復は続く」「がっかり感」。消費税8%で分かれる意見

2014年01月13日 19:06

 2014年を迎え、まもなくやってくる8%の消費増税。電気料金、ガス料金、ガソリンなどの燃料、食料品など4月の増税前にすでに値上げが始まっているものもある。1月の電気・ガス料金の請求予定金額を見て驚いた人もいるのではないだろうか。

 そこに消費増税が加われば家計の財布が苦しくなるのは必然だ。現在はアベノミクス効果も多少出ており、大企業の景況感は改善基調だ。エコノミストの意見をまとめると、「増税直後、景気は落ち込む」というのはほぼ全員共通の意見のようだ。しかし、そこからが二つの意見に分けられる。「景気は再び上向きになっていく」「景気の落ち込みがずるずると続き、国民は失望する」という意見だ。
 
 まずは上向くという人の意見をまとめてみる。景気にはひとたび上を向くと、そのまま回復・拡大を続ける性質がある。需要が増えると生産が増え、雇用も増え、元失業者が消費を増やすといった好サイクルはそう簡単には止まらない。企業は利益が増えることで設備投資への意欲も積極的となり、銀行からの融資も積極的になる。つまり、現在のような景気がすでに回復・拡大の好循環を始めている局面では消費増税3%プラスぐらいではぐらつかないだろうという見方だ。

 一方、増税によって景気は停滞するだろうという人の意見はこんな感じだ。アベノミクスによる日本経済再生の動きを自転車に例えるなら、2014年は快適に走り始めた段階。そこでの税率アップは、両手でブレーキをかけるようなものだ。5兆円の経済対策があるから大丈夫と楽観視する人もいるが、5兆円程度の規模では小さすぎるという。増税と景気悪化で財布の紐は堅くなり、企業の業績は再び落ち込み、賃金アップどころではない。アベノミクスという中途半端な政策に多くの国民が「がっかり感」を抱くというシナリオだ。

 果たしてどちらのシナリオになるのだろうか――。内閣府が発表している景気動向指数の結果は世の中の状況と少しタイムラグがあるように個人的には感じている。政府には世の中の動きを敏感に察知してもらいたい。後手後手の経済対策だけは勘弁してもらいたい。(編集担当:久保友宏)