17日、大手ゲーム機メーカーの任天堂<7974>が、2014年3月期の連結業績を大幅に下方修正し、営業損益が350億円の赤字になるとの見通しを発表。従来の予想では1000億円の黒字であった。これで任天堂は3期連続での営業赤字となる。主力の家庭用ゲーム機である「Wii U」とゲームソフトの不振が原因とみられている。
13年3月期に初めて営業赤字を出して以来、これで3期連続の営業赤字。任天堂の岩田聡社長は、従来計画の営業利益1000億円を「コミットメント」とし、達成出来なかった場合の経営責任についても言及していた。
しかしこの日、大阪市内にて会見を行った岩田聡社長は、「責任を感じている」と述べたものの、コミットメントが未達成でも「退任するわけではないことは、以前から話していた通り」とし、辞任を否定。今後の経営体制に関しても「大きな変化はない」と述べたものの、役員報酬減額といった「なんらかのけじめは必要」との考えを示した。任天堂は今月30日に経営方針説明会を開く予定。
こうして任天堂が業績予想を大幅に引き下げたということは、「Wii U」が業績の立て直しの効果を果たしていないということになる。岩田聡社長は記者の質問に対し、「市場動向を見誤り、適切な判断ができなかった」と認めた。そして、「顧客を驚かすものを提案する必要がある」とコメントした。
任天堂は、今期の「Wii U」の販売に関しては、有力ソフトを投入したり欧米で値下げを行うなど、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション4(PS4)」やマイクロソフトの「X box One」といった新型ゲーム機に対抗するための施策を打ち出していたが、会見にて岩田聡社長は「年末商戦で販売の勢いを加速させることが出来なかった」と振り返った。
そして岩田聡社長は、ハートとソフトの販売が不振だったことに関して「深刻でないということはあり得ない」とコメント。しかし「打つ手がなくて困っている状況ではない」とも述べ、来期の営業黒字化は達成出来るという自身の見方を語った。(編集担当:滝川幸平)