家庭用ゲームの2013年度上半期の国内市場は、前年同期比で15.4%ダウンの1483億円であった。その内訳はゲーム機が前年同期比で12.8%ダウンの532億円、ソフトが前年同期比で16.8%ダウンの950億円であった。こうしたダウンの要因として、ヒットとなるソフトが少なかったことが挙げられる。こうして上半期に1500億円を割り込む結果になったのは、1477億円であった04年度以来、9年ぶりのこととなった。
こうした傾向は日本国内だけではなく、世界の市場にも見られた。世界におけるパッケージソフトのゲーム市場規模は、前年より約2割のマイナスとなった。これは家庭用ゲーム機の世代交代の遅れが足を引っ張ったことが原因とみられ、日本では任天堂<7974>の「ニンデンドー3DS」が順調な伸長をみせたために大きなマイナスとはならなかったものの、欧米などではソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション4」、またマイクロソフトの「Xbox One」販売の遅れが響いた形となった。
その一方でデジタルゲーム(スマートフォン用アプリ、タブレット用アプリ、PC用プラウザゲーム、ソーシャルゲーム)の市場が大きな伸長を見せ、アメリカでは今年の7月の時点で、とうとうデジタルゲーム市場の規模が家庭用ゲーム市場の規模を上回ることとなった。
しかしそうした動きの中、下半期の11月15日に「プレイステーション4」がアメリカとカナダで発売され、続いて29日にヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、ラテンアメリカなどで発売されると、12月1日には全世界での累計販売台数が210万台を越えるなど、大きな話題となった。さらにはマイクロソフトが現地時間で11月22日に「Xbox One」を発売すると、発売後18日で販売台数200万台を突破するなど、めざましい動きを見せた。
「プレイステーション4」の日本国内での販売日は14年の2月22日、「Xbox One」は14年内発売予定となっている。どちらも発売されれば国内で大きな話題となることは間違いない。
デジタルゲームにそのシェアを奪われつつある感のある家庭用ゲームだが、これら話題性のあるゲーム機の販売により、来年以降どのような巻き返しを図れるか、注目が集まっている。(編集担当:滝川幸平)