燃料自動車は電気自動車の二の轍を踏まずに普及を進められるか

2012年09月03日 11:00

 水素を利用し電気エネルギーに変換して走行する燃料電池自動車。燃料電池自動車は有力なエコカーの一つであるとともに、電気自動車(EV)などに比べ大容量の電力供給が可能であるため、災害時の避難所などでの移動電源車として活用が期待されており、インフラ整備や開発が加速している。

 岩谷産業は、水素供給・利用技術研究組合(HySUT)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究の一環として、愛知県豊田市に充填圧力70MPaの水素ステーションを東邦ガスとともに建設。国内最大級となる直充填方式の大流量圧縮機が組み込まれたドイツ・Linde製パッケージ型水素ステーションの導入で、利便性向上・省スペース・低コスト化を図っている。同社を含むエネルギー会社各社は、2013年度から4大都市圏を中心に全国約100ヶ所のステーション整備を計画。本水素ステーションは、この先行整備に先立ち、代表的な商用仕様水素ステーションのモデルの一つとして、用地選定から建設、運用までを一貫して行い、その過程での課題を抽出するとともに、コスト低減の見通しの把握や開発技術の性能評価等を行う。

 またトヨタは、燃料電池バス(FCバス)の燃料電池で発電した電力を家電製品などに供給できる外部電源供給システムを開発。このシステムは、中部国際空港、東京都心~羽田空港間、豊田市内などで運行している燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」をベースに開発したもので、車内に交流電力を出力するコンセントを2箇所設置。家電製品などに3kWで連続して電力供給する場合、100時間以上使用する能力を有しているという。さらにトヨタは、FCバスから建物の電気配線を通じて電力を供給するV2Hシステムの開発も進めており、最大出力9.8kWで、連続約50時間の電力供給能力を目指しているとのこと。

 徐々に広がりを見せているとはいえ、思うように普及の進まない電気自動車。燃料電池自動車も、インフラ整備や航行距離など、普及に向けては電気自動車と同様の壁が存在している。この壁をいかにしてクリアしてゆくのか。今後の動向に注目が集まるところであろう