キャッシュレス時代の到来か 電子決済が48兆8000億円市場に

2014年02月23日 19:25

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矢野経済研究所は、電子決済市場は14年度には50兆円を超え、17年度には66兆を超えると予測した。

 もはや現金を持ち歩く必要はない。支払いの決済を電子情報を通して行うサービスである電子決済市場が拡大している。矢野経済研究所は「電子決済市場に関する調査結果 2013」を発表、13年度の電子決済市場は前年度比9.3%増の約48兆8000億円と予測した。

 この調査では、非接触IC型電子マネーの決済額、プラスチックカード型プリペイドカードの発行額、ネットワーク型電子マネーの発行額、デビット決済サービスの決済額、クレジットカード決済におけるショッピング取扱高などを合算した。

 2012年度の国内の電子決済市場は、前年度比6.9%増の約44兆6000億円まで拡大した。インターネットやスマートフォンの普及を背景とした実店舗に行かないEC市場の拡大に加え、店舗でのリアルな取引でもキャッシュレス化が進展している。このため、クレジットカード決済をはじめ、プリペイドカード決済、デビット決済サービスいずれも堅調に市場を拡大している。2013年度もさらに拡大すると予測し、前年度比9.3%増の約48兆8000億円とした。

 市場の動向としては、非接触IC型電子マネー市場は、引き続き、GMSやコンビニエンスストアなど店舗での利用が拡大している流通系の電子マネーが市場を牽引している。また、交通系の電子マネーは、2013年3月に全国規模での相互利用が開始された。それにより、ユーザの利便性の向上を目的として、電子マネーの導入を検討する企業が増えており、今後は沿線を中心に、さらなる加盟店の拡大が期待されるという。

 プラスチックカード型プリペイドカード市場は、ガソリンスタンドでの給油時に利用できるプリペイドカードが市場を大きく牽引してきた。近年ではコンビニエンスストアや家電量販店など、大手流通小売業の店頭に設置されたギフトカードモールにおいて、デジタルコンテンツ事業者などのプリペイドカードの発行が急増している。ギフトカードモールは、今後さまざまな店舗で導入が進み、中堅・中小企業まで拡大するとみている。今後、店舗での利用を前提としたブランドプリペイドの発行が増加し、市場は急速に拡大すると予測した。

 デビット決済サービスには、ペイジー、J-Debit、ブランドデビットの3種類があり、現在はブランドデビット(Visa などの国際ブランド加盟店で利用できるデビットカード)に注目が集まっている。

 今後の国内の電子決済市場は、更なる決済インフラの整備やEC市場の拡大で、17年度には約66兆4000億円まで拡大すると予測した。まずはスマートフォンやタブレットを利用した決済サービスの普及。そして、初期費用が小さく、手数料率が低い新たなスマートデバイスを活用した決済サービスにより、これまでは電子決済を導入できなかった小規模店舗での導入が期待され、加盟店数の増加につながるからだとした。

 たしかに、電子決済を導入しているサービスは急速に増加している。便利な世の中になった。もはや、手元にキャッシュがなくても、不自由はない。しかし、現金を目にしないで買い物やサービスが受けられるとなると、とかく気が大きくなりがちだ。あとで明細を見て驚かないよう慎重にいきたいものだ。(編集担当:慶尾六郎)