民主党の長妻昭元厚生労働大臣が24日の衆議院予算委員会で「厚生年金未加入問題」を取り上げた。長妻元厚労相は「ルール上、厚生年金に加入していなければならない人が加入していない。会社にとっては事業主負担を免れるということもあり、悪質ではなく、加入を忘れているところもあるのかもしれないが、相当数あるのではないか」と実態を把握するためのサンプル調査を行うよう政府に求めた。
この中で、長妻元厚生労相は、田村憲久厚生労働大臣は厚生年金に入っていなければならないが入っていない人は推定値で350万人から400万人程度いるのではないかということだったが、実態はわからないということだったと述べ、「是非、サンプル調査をして、国民年金に入っている人で会社に勤めている人を調査し、どれくらいの人が違法な形で厚生年金に入れてもらえていないのか、規模をはっきりさせるべき」と指摘した。
田村厚労相は「みんなの党の試算で1000万件との報告があったので、これに我々が掴んでいる数字を当てはめると350万から400万人との数字が出るということであって、この数字は厚生労働省として認めた数字ではない」としたうえで「国民年金の被保険者の実態調査のなかに新たな項目を導入して実態把握をしていく」と答えた。
長妻元厚労相は厚生年金に加入したいと会社に相談したところ、給料から会社負担分も引いてよいなら入れてやるといわれた事例や会社の従業員がみんな国民年金になっているなど、悪質な事例のあることをあげ、『国民年金の加入者のうち、自営業者は2割で、国民年金の未納問題も、自営業者というより、非正規や正社員など会社で働いている方の未納が非常に大きい。サンプル調査で一定の規模を調査すれば全体の状況が把握できる』と重ねてサンプル調査を求めた。
田村厚労相は「法務省からもらった法人情報以外に、財務省から稼動法人の情報をもらおうと思っている。国民年金の被保険者の実態調査のなかに(長妻氏の指摘を含め)新たな項目を導入しようと思っている」と答え、実態把握が早期にできるよう努力する旨を答えた。
安倍晋三総理は「厚労大臣に厚生年金の適用促進に取り組むよう指示したい」と答弁した。(編集担当:森高龍二)