【日経平均】今年最少の薄商いで一時プラスでも80円安

2014年02月26日 20:17

 ナブテスコ<6268>は4円高で昨年来高値を更新。材料は最近の人気テーマの「介護ロボット」で、その精密減速機をつくっている。東証2部の森下仁丹<4524>はストップ高の100円高。オリックス環境と共同でバイオカプセルを活用してレアメタルや貴金属を回収する実証実験を開始すると発表した。森下仁丹が持つ合成高分子樹脂のシームレスカプセル技術を応用する。意外な会社が意外なテクノロジーを有することがある。旭化成<3407>は今期の純利益を120億円下方修正すると発表したが、設備過剰のアクリル繊維原料製造プラントを削減するリストラ策が好感され5円高。セルロースナノファイバーの星光PMC<4963>は一時ストップ高で昨年来高値を更新しながら2時から突然の利益確定売りで急落し24円安。売買高10位、売買代金3位と商いは多かった。

 東京電力<9501>は数土文夫次期会長がインタビューに「電気料金の値上げは極力回避したい」と答え、マンション向けに5%安い割安電力の供給に参入するという報道もあり4円高。政府のエネルギー基本計画案で原発が「重要なベースロード電源」に位置づけられ再稼働を進める方針が明記されたことも株価を後押しした。

 ゲーム・コンテンツ関連では任天堂<7974>が275円高と復調。ジャスダックのクルーズ<2138>は一時ストップ高で9.72%上昇の620円高。売買代金はパナソニック<6752>の442億円もソフトバンクの866億円も上回り、1000億円で全市場トップだった。ヤフー<4689>は「ヤフートラベル」の宿泊成約料を10%から0%とし宿泊客にポイントを付与と発表したが12円安。利用者が集まると広告収入で元が取れるという。

 スポーツクラブを運営する東証2部の東祥<8920>は3月19日の東証1部への市場変更が承認され前場はプラスだったが、記念配、公募増資、売出しを同時発表したため終値は24円安。好材料と悪材料をチャンポンにするとこうなるが、食べるまで隠された悪材料がわからない闇鍋よりはまし。闇鍋ではなく牛鍋で吉野家HD<9861>と交戦中のゼンショーHD<7550>は公募増資などで301億円を調達すると発表し希薄化懸念で91円安になり値下がり率1位。資金は牛丼店ではなく回転寿司「はま寿司」の出店に使う。

 この日の主役は、日経新聞朝刊1面で大きく報道されたパナソニックとテスラ・モーターズの提携話。双方が1000億円を超える投資を行い共同でアメリカに電気自動車(EV)向け電池工場を建設することで最終調整に入ったと報じられた。2017年に稼働を開始しガソリン車並みの車両価格を目指すという。NASDAQ上場のテスラ・モーターズは25日、モルガン・スタンレーが目標株価を引き上げ13.9%の大幅上昇で上場来高値を更新していた。パナソニックも63円高の大幅高で4日続伸。値上がり率ランキング13位に入り売買高6位、売買代金2位と買いを集めた。パナソニックは国内の複数の部材メーカーに参加を呼びかけているといい、同社製リチウムイオン電池の電極材をつくる田中化学研究所<4080>はストップ高比例配分の80円高、戸田工業<4100>は16円高で値上がり率7位、古河電池<6937>は24円高と連れ高した。事業リストラで「住宅と自動車」への絞り込みを進めるパナソニックにとって、重要な位置を占めそうなプロジェクトだ。(編集担当:寺尾淳)