【日経平均】まとまった資金が注入されて416円の大幅高

2014年02月21日 20:29

 20日のNYダウは92ドル高。ユーロ圏PMI速報値は低下し、フィラデルフィア連銀景況指数は1月の+9.4から-6.3に大幅下落。景気先行指標総合指数、新規失業保険申請数も市場予測を下回ったが「大寒波のせい」で追い風ならぬ逆風参考記録扱いで不問。代わりにマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)というマイナー指標の53.7から56.7への好転を引っ張り出して好材料視した。フェイスブックがメッセージアプリのワッツアップを総額190億ドルで買収すると発表して2.31%上昇しハイテク銘柄が連れ高したが、アップルはバークレイズが投資判断を引き下げて下落。電気自動車のテスラ・モーターズは好決算を好感され大幅高。21日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は140円台前半で、前日朝に近い水準だった。

 日経平均は169.43円高の14618.61円と、シカゴCME先物清算値より73円も高い大幅高で始まる。TOPIXも1200台を回復。3分後には14650円を超え、15分後には14733円まで駆け上がる。その後も14700円台で前日比300円前後の高値もみあいが続く。ドル円が102円台後半、ユーロ円が140円台後半まで円安が進行し、先物に大量の買い戻しが入った模様。前場は14700円台でもみあい、前引は14741円だった。

 後場は立ち上がりから上昇して14800円を突破した後は14800円前後で再び水平飛行。それでも午後2時前から機首が徐々に上を向いて前日比400円高をオーバーし14900円に接近。先物の買いだけでなく、現物にも断続的にまとまった資金が注入された。2時51分に25日移動平均の14934円にあと46円に迫る14888円の最高値をつける。前場、後場を通じて下落らしい下落シーンが全くない安定したきれいな値動きを見せて「飛型点」高く着地を決め、終値は416.49円高の14865.67円で3勝2敗、前週末14日の終値から552.64円上昇して今週の取引を終えた。今年7週目でやっとプラスの週が出現した。「寄り安」でほぼ上昇一辺倒で日中値幅は270円。TOPIXは+27.75の1222.31で1220台まで上がった。売買高は20億株、売買代金は1兆9681億円と今週3回目の2兆円割れ。翌日からシドニーで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議を前にした様子見もあったようで、売買は低調だった。

 東証1部の値上がり銘柄は全体の92%に及ぶ1655、値下がり銘柄は83。33業種別騰落率は全業種がプラスで、その上位は石油・石炭、電力・ガス、非鉄金属、証券、その他金融、その他製品など。下位は鉱業、海運、不動産、ゴム製品、銀行、空運などだった。

 日経平均採用225種は値上がり223銘柄、値下がりはたったの2銘柄。値動きなしはゼロだった。プラス寄与度1~4位は「日経平均寄与度四天王」の揃い踏みで合計+107円。4位のKDDI<9433>は2015年3月期の営業利益が今期見通しの6600億円より10%強増加して7300億円以上という業績観測で165円高と反発した。マイナス寄与度1位は7円安の東急不動産HD<3289>、2位はTOTO<5332>で、朝方はプラスだったがシティG証券がレーティングを「売り」に格下げすると10時頃にマイナス圏まで急落し、その後もプラスに浮上できず2円安だった。