【日経平均】2ヵ月連続の中国PMIショックで317円安

2014年02月20日 20:47

 19日のNYダウは89ドル安と続落し、NASDAQ総合指数も9日ぶりに反落した。1月の住宅着工件数が12月から16%も減ったのを「大寒波のせい」で済ませて午前中は小高く推移しても、午後発表の前回FOMCの議事要旨は言い訳がきかなかった。雇用統計の悪化や新興国の混乱ぶりを見て「今回は緩和縮小を棚上げしよう」と発言した〃一国の良心〃は1人もおらず、FOMCごとに100億ドルずつ縮小していく一定ペースの出口戦略に支持が集まり、さらに早期利上げを期待したメンバーもいたことでマーケットの失望を買った。20日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は140円台半ばで、前日とあまり変わらない水準だった。

 取引時間前の外資系証券の売買注文動向は売り越し。日経平均は65.39円安の14701.14円で続落スタートし、すぐ14700円を割り込むが、しばらくは14700円近辺の値動き。その要因は取引時間前に発表された1月の貿易統計が、燃料輸入が増える季節でもあり2兆7900億円という市場予測を上回る過去最高の赤字を記録して為替市場で円が売られたこと。しかし9時16分には14630円まで下落しシカゴCME先物清算値14645円にさや寄せ完了。その後はおおむね14620~14670円のレンジ内での値動きが続く。

 9時台、10時台は、10時45分に発表される中国の2月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値と、それに上海市場がどう反応するか確かめるまで息を殺して待つ様子見モード。昨年は「5月23日」の大暴落の引き金を引き、今年1月も50割れで日経平均を急落させ、今や「中国の注目度ナンバーワンの経済指標」HSBCのPMI速報値は48.3だった。2月6日まで春節休暇が入ったとはいえ、2ヵ月連続の50割れで1月の49.6から1.3ポイントも低下してはやはりネガティブサプライズ。ドル円は102円を割り込み、発表直前は14680円台だった日経平均は14600円を割り込んで底が抜ける。いったんは戻しても再び下落して11時20分には14505円まで下げ、前引は14518円だった。

 後場は当初14500円台前半の安値もみあいだったが、為替のドル円が再び102円を割り午後1時頃から一段安になって14500円割れ。TOPIXも1200を割り込んだ。先物主導で売られても反転の手がかりがなく、1時34分には14428円の最安値をつける。皮肉にもその間、上海総合指数はずっとプラスで推移した。14500円台に浮上できないまま時間が経過。2時台後半にドル円が102円台に戻りかけたのを受けて14500円に迫った場面もあったが、終値は317.35円安の14449.18円で続落。18日の最安値14469円も下回り、日銀会合の結果発表後の上昇分を全て帳消しにした。日中値幅は303円。TOPIXは-23.96の1194.56だった。売買高は25億株、売買代金は2兆1124億円で2兆円台を回復した。

 東証1部の値上がり銘柄は167、値下がり銘柄は1547で86%を占めた。全セクターがマイナスで、下げ幅が小さかったのはパルプ・紙、空運、水産・農林、陸運、電気・ガス、医薬品など。大きかったのはその他金融、海運、保険、機械、精密機器、証券などだった。

 日経平均採用225種で値上がりは8銘柄のみ。値下がり銘柄は215。プラス寄与度1位はデンソー<6902>、2位は中外製薬<4519>、3位は前々日発表の決算が良かったトレンドマイクロ<4704>で、ともに+1円。マイナス寄与度1~3位はご存知「日経平均寄与度御三家」で、合計-81円だった。