ヤフー<4689>は、同社が提供する検索連動型広告において、何者かが同社の広告審査を回避する手段を用いて、検索連動型広告を申込み、そこから京都銀行<8369>の偽サイトへの誘導する不正があったことの第一報を2014年2月21日に報告していた。そして、今回、本件に関するその後の追加調査と対応・対策を2月26日に報告した。
京都銀行の不正を行った悪用者と同一と思われる者のアカウントを調査したところ、名古屋銀行<8522>とWebMoney(ウェブマネー)<2167>についても偽サイトへの誘導行為があったこと報告。
名古屋銀行は、2月11日から2月14日まで掲載され、WebMoney(ウェブマネー)2月14日から2月21日まで掲載されていた。この2件については、既に停止され同じ方法による追加掲載はされる可能性は低いので、偽サイトへ誘導される危険性は新たな不正方法がなされない限りは心配しなくても良いと思われる。
ヤフーは、先の事案と併せて、追加で分かった事案について捜査機関へ情報提供を行うとともに、両社へその事実を連絡している。なお、ヤフーは、並行して、類似の不正が行われていないか調査したが、現時点では同様の手口による悪用は確認されていないという。
対策として、今後は、今までの対策に加え、新たな審査方法と不正が行われていないかのパトロールの厳格化を進める。ヤフーにとって、ユーザーに被害が出て、広告の信頼性が損なわれることは、ビジネスモデルが崩壊するだけに大きな問題である。
ヤフーは、捜査機関との連携で悪用者が摘発されることによる悪用行為の抑止と、ヤフー自身による対策を強化することでインターネット広告の安全性と信頼性の向上に努めるとしている。
最近は、メールでも都市銀行やゲーム会社を偽って、IDやパスワードの流出や不正が見つかったので、念のため変更して欲しいなどと案内して、不正なサイトへ誘導しID、パスワードを盗もうとすることも頻繁に行われている。明らかに不正案内と分かるが、なかなかこのメールの送信が止まらないという事実もある。こちらは、不正メールの送信を事前に業者が止めることは現実的には難しいが、ヤフーの連動広告は、十分なチェックが事前にできるだけに対策が甘かったと推測される。(編集担当:阪木朱玲)