消費者の購買意欲を損なう不況の影響を受け、一般用医薬品の売り上げも全体的に前年比マイナス傾向にある。しかし皮膚用薬(除殺菌)、解熱鎮痛剤、鼻炎治療薬は軒並み売り上げを伸長しており、特に皮膚用薬(除殺菌)は、前年比約4%増(2011年調べ)と、一般用医薬品の中でトップの売り上げを記録している。
また、その皮膚用薬(除殺菌)の中でも、男性が毎日の身だしなみとして行う”ひげそり”のケア商品が注目を集めているという。
ロート製薬が20代から60代の男性を対象に、調査を行ったところ、69.3%が「ひげそりによる肌トラブル」を起こした経験があると答えている。症状としてはヒリヒリ感や痛み・赤みといった炎症トラブルが多いという。その対処法として、髭剃り後に使用する化粧水やアフターシェーブローション、クリームなどが使用されている。
例えば資生堂の男性用フェイスケア「ブラバス アフターシェーブローション(J)」は爽やかな柑橘系の香りがお洒落な男性に支持を得ている。また、「ウーノ 薬用アフターシェーブローション」もイオンバランス水がひげにすばやくなじみ、カミソリ負けを防ぐとして注目。さらに剃って洗い流した後、ぬれた肌になじませる花王のアフターシェーブミルク「サクセス アフターシェーブミルク」、コエンザイムQ10・モイストグリセリンを配合した「ニベアフォーメン リバイタライジングローションQ10」も人気を集めているという。
しかし抱えているトラブルを完全に解消できていないケースも見受けられるという。実際、カミソリや電気シェーバーでひげを剃ると、ひげと共に角質層を薄く削り取るため、肌の水分が失われやすくなるだけでなく、外部刺激にも敏感になり、少しの刺激でヒリヒリした痛みや赤みが起きやすい状態になってしまうようだ。
そのため、ひげそり後の化粧水やローションなどによる保湿だけでなく、さらにひりつきや炎症を鎮めてしっかりと医薬品で治すことも必要だと考えられる。そのようなニーズを受け、長年にわたり皮膚用薬の研究を続けている「メンソレータム」ブランドから、ひげそり後などの炎症を、5つの有効成分が鎮めるOTC医薬品「メンソレータム ヒリプロ」が登場した。これはひりつきを鎮めるリドカイン、雑菌の繁殖を防ぐイソプロピルメチルフェノールをはじめ、医薬品ならではの効果的な処方設計となっている。
ひげそりは毎日の習慣として行うことが多く、回復しきる前に皮ふを傷め、炎症が繰り返し起こる傾向がある。昨今は肌状態を気にする繊細な男性が増えているため、化粧水やローションと並行して医薬品でしっかりと治療する、この方式は、若い世代の男性を中心に注目を集めそうだ。