【今週の振り返り】ウクライナ情勢の好転で433円上昇した週

2014年03月08日 20:23

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プーチン大統領のおかげなどではなく、海外の悪材料が出るたびにきつく下げ、売られすぎた日本株の修正局面

 プラス28業種、マイナス5業種。プラス上位は不動産、ゴム製品、電気・ガス、小売、石油・石炭、その他製造など。プラス下位は鉄鋼、食料品など。マイナスは金属製品、海運、鉱業、証券、ガラス・土石だった。

 4日のNYダウは227ドルの大幅高。プーチン大統領が記者会見で「クリミア半島を併合する考えはなく、今のところ正規軍派遣は必要ない」と話し買い戻された。金、原油の先物価格も反落。オバマ大統領が10年間で財政赤字を5.3兆ドル圧縮する予算教書を議会に示し金融、ヘルスケアは強含み。増配と自社株買いを発表したクアルコム、テスラ・モーターズが堅調。5日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が140円台前半と円安が進行した。

 15000円台回復も想定された日経平均は184.47円高の14905.95円とマドを開けて14900円台に乗せて始まった。日経平均は午前9時8分に14992円をつけるが、大台突破はできず折り返す。その後はおおむね14900円台後半の小動き。全人代開幕を前に李克強首相が中国の今年のGDP目標を2013年と同じ7.5%と発表し上海市場は反発、香港市場は続伸でスタートしたが、日経平均は10時30分を回ると息切れしたように14900円台前半まで水準を下げ、前引は14942円だった。

 後場は少し高く始まるが14900円台半ばで推移して変化に乏しい。2時台に失速し日経平均はしばらく持ちこたえたがTOPIXは安値を更新した。日経平均も14900円台を最後までキープできず、終値は176.15円高の14897.63円と安値引け、ローソク足は黒。日中値幅は95円と小さかった。TOPIXは+8.79の1212.90。売買高は19億株、売買代金は1兆9386億円と依然薄商いだった。

 値上がり29業種の上位は不動産、ガラス・土石、保険、その他金融、情報・通信、精密機器など。下位は輸送用機器、鉄鋼など。値下がりは電気・ガス、空運、陸運、パルプ・紙の4業種だった。

 5日のNYダウは35ドル安と反落。ADP雇用統計の2月の非農業部門就業者数の伸びは13.9万人、2月のISM非製造業景況指数は1月を2.4ポイントも下回る51.6で、ともに市場予測を下回った。雇用統計発表前に暗雲が漂いほとんどの時間はマイナスで推移したが大きく下落しなかった。原油先物大幅安で石油関連は安いが金融株は続伸。NASDAQ総合指数は上昇した。6日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は140円台半ばで、前日夕方から若干円安になった。

 日経平均は36.13円高の14933.76円で始まる。プラスで始まった要因はオーストラリアの1月の小売売上高がポジティブサプライズで豪ドルが急騰したこと。プラス圏の14900円台前半で大きく振れた後、9時45分頃からマイナスに落ちて14871円まで下げるが、10時前後に棒上げして14950円付近まで戻る。5年に1回実施するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公的年金の財政検証について「国内債中心の運用を求めない」という厚生労働省の専門委員の草案の一部が速報された。ドル円は102円台後半まで円安が進み、上海市場が3日続落で始まってもソフトバンク<9984>の大幅高に引っ張られ日経平均は14930~14970円のレンジで推移し、前引は14954円だった。