4日のNYダウは227ドルの大幅高。ウクライナ国境付近で演習中のロシア軍への撤収命令報道に続き、プーチン大統領が記者会見で「クリミア半島を併合する考えはなく、今のところ正規軍派遣は必要ない」と話したことで買い戻された。金、原油の先物価格も反落。しかし軍事行動中なのは「自警団」と強弁しており「地政学的リスク後退」と判断してもいいのかどうか。オバマ大統領が10年間で財政赤字を5.3兆ドル圧縮する予算教書を議会に示し金融、ヘルスケアは強含み。増配と自社株買いを発表したクアルコム、テスラ・モーターズが堅調で、フェイスブックは何に使うのか無人飛行機のベンチャー企業の買収検討中という材料で買われた。5日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が140円台前半と円安が進行していた。
シカゴCME先物清算値は14980円。15000円台の回復も想定された日経平均は184.47円高の14905.95円とマドを開けて14900円台に乗せて始まった。日経平均採用銘柄に買い気配が多く、値がつくにつれ日経平均はどんどん上昇し午前9時8分に14992円をつけるが、大台突破はできず折り返す。その後はおおむね14900円台後半の小動き。中国の全人代開幕を前にして李克強首相が今年のGDPの目標を2013年と同じ7.5%とすると発表して上海市場は反発、香港市場は続伸でスタートしたが、日経平均は10時30分を回ると息切れしたように14900円台前半まで水準を下げ、前引は14942円だった。
後場は少し高く始まるが、15000円に接近することもなく、下に向かうでもなく14900円台半ばで推移して変化に乏しい。2時台に風船がしぼむように失速。日経平均はしばらく持ちこたえていたがTOPIXは安値を更新した。日経平均も14900円台を最後までキープできず、終値は176.15円高の14897.63円と安値引け、ローソク足は黒で少し残念な感じもあり。日中値幅は95円と小さかった。TOPIXは+8.79の1212.90。売買高は19億株、売買代金は1兆9386億円と依然薄商いが続く。ウクライナの国の花は、この国でロケ撮影を行った同名のイタリア映画でも有名になった「ひまわり」。ひまわりのように東京市場も明るい方を向いて大幅高で続伸した。ちなみにひまわりはロシアの国花でもある。
値上がり銘柄は全体の62%の1110、値下がり銘柄は28%の516。値上がり29業種の上位は不動産、ガラス・土石、保険、その他金融、情報・通信、精密機器など。下位は輸送用機器、鉄鋼など。値下がりは電気・ガス、空運、陸運、パルプ・紙の4業種だった。
日経平均採用225種のプラスは177銘柄、マイナスは40銘柄。プラス寄与度1位はこの日、香港証券取引所に新規上場し28.60香港ドル(約370円)の初値がついたファーストリテイリング<9983>で、1085円高で3日続伸し+42円。2位はソフトバンク<9984>で+13円。マイナス寄与度1位は富士重工<7270>、2位はトヨタ<7203>と自動車株が並び、ともに-1円台だった。
メガバンクはみずほ<8411>と三菱UFJ<8306>が値動きなしで三井住友FG<8316>は42円高。野村HD<8604>は5円高だった。自動車セクターの話題が豊富な日で、プジョー・シトロエンと共同開発した低燃費の「アイゴ」がジュネーブ自動車ショーで好評のトヨタはなぜか49円の逆行安。富士重工は防衛省のヘリの発注キャンセルをめぐる裁判で敗訴し297億円の特別損失を計上。今期純利益を下方修正して納得の50円安。2020年までにルノーと部品を共通化すると報じられた日産<7201>は2月の中国新車販売が55%増で7円高、同じく27%増のホンダ<7267>は47円高。マツダ<7261>は2円高、三菱自動車<7211>は売買代金8位で24円高だった。