【日経平均】米雇用統計を待ちながら139円高で4日続伸

2014年03月07日 20:47

 6日のNYダウは61ドル高。S&P500は過去最高を更新したがNASDAQは反落した。1月の製造業受注指数は0.7%減で市場予測を下回ったが、新規失業保険申請件数が前週比2.6万件減少と市場予測よりも良く7日発表の雇用統計に期待をつないだ。アメリカ政府がロシアへの経済制裁を発動しても反応薄。シティ、JPモルガン、バンカメなど大手金融株は続伸したが、減益決算を発表したコストコは下落した。日本証券業協会はNYで「日本証券サミット」を開催。7日朝方の為替レートはドル円が103円近辺、ユーロ円が143円近辺と円安が大きく進行した。ECB理事会は噂された利下げを行わず、ドラギ総裁が記者会見でユーロ圏の景気に楽観的な見通しを示したのでユーロが買われた。

 シカゴCME先物清算値は15295円。日経平均は146.01円高の15280.76円で始まる。午前9時7分に15236円まで凹んだ後、順調に値を切り上げて9時28分に15300円を突破。TOPIXも1240台に乗せた。前日からドル円が円安に動いて103円台に乗せたのがよく効く。だが15300円前後の高値もみあいは長続きせず、ドル円が再び103円を割ったため10時前から下落し15250円前後の値動きに。金曜日でもあり利益確定売りに上値を抑えられながら、前引けは15220円だった。

 後場は上げ幅を縮小して15200円割れで始まり、午後0時45分には週末のポジション整理なのか14145円まで下落したがかろうじてプラスは維持。その後は「1歩後退・2歩前進」のペースで15200円、15230円、15250円と階段を昇るように水準を切り上げる。2時に景気動向指数速報値が発表され、一致指数は前月比2.5ポイント上昇、先行指数は0.5ポイント上昇と悪くない。発表後の2時台は15250円近辺でアメリカの雇用統計を待ちながら、相場は動かない。そのまま幕が下りるかと思いきや2時40分頃からいきなり急伸して15300円に接近。終値は139.32円高の15274.07円で4日続伸し、4勝1敗、前週末比433.00円のプラスで今週の取引を終えた。日中値幅は167円。TOPIXも+8.61の1236.97で4日続伸。売買高は20億株、売買代金は1兆9768億円で2兆円に届かなかった。

 東証1部の値上がり銘柄は全体の7割を超える1270、値下がり銘柄は373。33業種別騰落率はパルプ・紙セクター1業種だけがマイナスで、プラス32業種の上位は倉庫、金属製品、鉱業、空運、不動産、石油・石炭など。下位は水産・農林、食料品、非鉄金属、鉄鋼、精密機器などだった。

 日経平均採用225種は値上がり168銘柄、値下がり42銘柄。プラス寄与度1位は5日続伸したファーストリテイリング<9983>で+29円。2015年春入社の新卒採用を倍増させ1000人とするニュースがあり、BNPパリバが新規に「買い」のレーティングをつけた。2位に+12円のファナック<6954>、3位に+8円のソフトバンク<9984>が入り「御三家」が表彰台独占。マイナス寄与度1位はKDDI<9433>で-2円、2位は日東電工<6988>で-1円、3位はモルガンスタンレーがレーティングを引き下げた日揮<1963>で-1円だった。

 メガバンクは10~11日の日銀会合待ちなのか買い先行でも上値を抑えられ、UBSがレーティングを引き上げた三菱UFJ<8306>もみずほ<8411>も値動きなし。三井住友FG<8316>は17円高どまり、りそなHD<8308>は16円高。野村HD<8604>は5円高だった。自動車はトヨタ<7203>は20円高、マツダ<7261>は13円高、ホンダ<7267>は14円高だが日産<7201>は7円安。電機はソニー<6758>は19円高、東芝<6502>は3円高でも日立<6501>は値動きなし、NEC<6701>は4円安で続落というように、どちらも円安を背景に全面高とはいかなかった。その中でTDK<6762>はみずほ証券がレーティングを引き上げて100円高、東京エレクトロン<8035>は94円高で昨年来高値を連日更新した。