【日経平均】「助っ人」が現れ237円高で15100円台乗せ

2014年03月06日 20:48

 5日のNYダウは35ドル安と反落。ADP雇用統計の2月の非農業部門就業者数の伸びは13.9万人、2月のISM非製造業景況指数は1月を2.4ポイントも下回る51.6で、ともに市場予測を下回った。雇用統計の発表前に暗雲が漂いほとんどの時間はマイナスで推移したが、「大寒波のせい」と言い訳でき大きくは下落しなかった。原油先物が大幅安で石油関連株は安いが金融株は続伸。NASDAQ総合指数は上昇した。6日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は140円台半ばで、前日夕方から若干円安になった。

 木曜日は8連敗中でシカゴCME先物清算値は14890円で、取引時間前の外資系証券の売買注文状況は売り越しでも、日経平均は36.13円高の14933.76円で始まる。プラスで始まった要因はオーストラリアの1月の小売売上高がポジティブサプライズで豪ドルが急騰したこと。海外からは魔物も来れば助っ人も来る。プラス圏の14900円台前半で大きく振れた後、9時45分頃からマイナスに落ちて14871円まで下げるが、10時前後に棒上げして14950円付近まで戻る。次の助っ人は厚生労働省。5年に1回実施するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公的年金の財政検証について「国内債中心の運用を求めない」という専門委員の草案の一部が速報された。リスク志向が高まるのをマーケットは歓迎しドル円は102円台後半まで円安が進み、全人代開会中の上海市場が3日続落で始まってもソフトバンク<9984>の大幅高に引っ張られて日経平均は14930~14970円のレンジで推移し、前引は14954円だった。

「3人目の助っ人」が現れたわけではないが先物が活発に買われ、後場はいきなり15000円台乗せで始まる。午後0時57分には15100円台にも乗せ、1時台後半には勢いづいて12月30日の昨年来高値と2月5日の最安値の間の半値戻しライン15158円をあっさり突破し、1時53分に15200円にもタッチする。その後は15100円台後半で巡航するが、2時台には徐々に下落。それでも終値は237.12円高の15134.75円と大幅高で3日続伸。木曜日は今年初の白星。日中値幅は332円もあった。売買高は22億株、売買代金は2兆972億円で3日ぶりに2兆円台を回復した。

 値上がり銘柄は全体の4分の3の1355、値下がり銘柄は329。33業種で下落したのは鉱業1業種だけで、上昇した業種の上位は証券、不動産、情報・通信、その他金融、鉄鋼、非鉄金属など。下位は空運、電気・ガス、金属製品、石油・石炭、食料品などだった。

 日経平均採用225種で上昇したのは204銘柄、下落したのは15銘柄。プラス寄与度1位はソフトバンクで+43円。TモバイルUSの親会社のドイツテレコムが買収について「短期的には難しい」とコメントしたが株価は368円の大幅高。2位はファーストリテイリング<9983>で+26円。マイナス寄与度1位はBNPパリバがレーティングを引き下げた信越化学<4063>、2位はトレンドマイクロ<4704>で、ともに-1円台だった。

 メガバンクはみずほ<8411>4円高、三菱UFJ<8306>16円高で、三井住友FG<8316>は102円の大幅高。野村HD<8604>も18円高で証券セクターは業種別騰落率トップ。自動車はトヨタ<7203>が107円高と3ケタ上昇。日産<7201>は4円高。三菱自動車<7211>は前日、三菱グループ中心に割り当てた優先株の普通株への転換を全て完了と発表し9円高。ホンダ<7267>は64円高、マツダ<7261>は6円高。日本特殊陶業<5334>は拠点を集約し生産3割増と報じられ60円高で、ミネベア<6479>は18円高で昨年来高値を更新した。