自殺者数、2年連続減少も、30代では微増 

2014年03月18日 10:45

 内閣府が13日に公表した昨年の自殺者数は2万7283人で、前年比575人(約2.1%)の減少となった。98年以来、連続して3万人を超えていた自殺者数は一昨年、15年ぶりに3万人を下回った。これで2年連続の減少となる。

 男女別にみると、男性の自殺は女性の約2倍と多いが、4年連続で減少している。これまで大きな割合を占めていた中高年層の自殺が大きく減少しているのが主な要因だ。年代別に自殺で死亡した人の割合をみると、60代は6年連続、50代と40代は4年連続で低下している。

 一方で、70代と80歳以上は上昇に転じた。若年層では唯一、30代の死亡者における自殺の割合が微増(21.9%→22.2%)しているのも気になるところだ。中高年世代がここ数年で大きく減らしているのに対し、30代以下は一貫して2割前後で変化があまりない。20代も、ここ2年は減少傾向にあるが、30代と同じく自殺率は2割前後で、大きく減っているわけではない。

 自殺の原因・動機については、明らかになったもののうち、「健康問題」が1万3680人で最も多かった。次いで「経済・生活問題」(4636人)、「家庭問題」(3930人)、「勤務問題」(2323人)の順となっている。雇用情勢が回復しつつある影響もあったのか、生活苦を理由にした自殺が最も大きく減少し、583人の減少となった。一方で、「健康問題」は51人の増加に転じた。

 3.11の爪あとも深い。東日本大震災に関連する自殺者数は、把握できる限りで全国に38人。最多は福島県で23人、次いで宮城県10人、岩手県4人、その他1人で、前年から14人の増加となった。福島は2年連続で増加、宮城県は増加に転じており、未だに回復しない心の傷を伺わせる。

 自殺者数は3万人を下回ったものの、未だに毎日70名以上の人々が自ら命を絶っている。生きづらさを抱えた人々の心に寄り添う施策を、地道に続けていくしかない。(編集担当:北条かや)