6割が経験する「職場いじめ」、最多は「1年以上」と長期

2014年02月18日 09:17

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厚生労働省によると、仕事上の強いストレスから心の病になり、自殺するなどして労災認定を受けた件数は12年度で475件と過去最多を記録した。

 厚生労働省によると、仕事上の強いストレスから心の病になり、自殺するなどして労災認定を受けた件数は12年度で475件と過去最多を記録した。475件はもちろん、氷山の一角にすぎない。多くの人は心の病の診断を受けても労災請求をせず、泣き寝入りしているのが現状だ。

 法規相談サイトを運営する日本法規情報株式会社が、全国の男女1152名(男性477人、女性676人)に対し職場でのいじめ経験について尋ねたところ、全体の6割近くが「職場でいじめを受けたことがある」と回答した。いじめ行為を行ったのは「上司」が最も多く41%。次いで「同僚」が33%、「他部署の同僚」が13%、「部下・後輩」と答えた人も8%いた。

 内容は「言葉の暴力、仲間外れ、陰口、無視する」がそれぞれ2割ずつとなっており、これらを合わせると「精神的苦痛」を与えるタイプが8割を占めた。被害者の対処法で最多を占めたのは「何もしない」で40%。我慢して嵐が過ぎ去るのを待つ人が多いことが伺える。「病気になって休んだ」人も13%いた。信頼できる友人などに相談できた人もいるものの、「相手に直談判した」は7%にすぎない。

 職場いじめは長期にわたる傾向があり、「1年以上続いた」という人が44%と最も多かった。次いで「半年以上1年未満」が20%。実に6割超の人が、半年以上にわたって過酷な環境に耐えている。

 近年は多くの職場で業績主義が浸透し、利益を上げる社員とそうでない社員の差が目につきやすい。マネジメントの教育を受けずに管理職となった上司が、部下に対して指導するつもりで「人格否定」や「言葉の暴力」を使って威圧してしまう例もあるだろう。また、正社員と派遣社員、アルバイトといった様々な立場の人が一緒に仕事をする中で、待遇の違いや仕事量の多寡などに不満をつのらせ、そうした不満の「はけ口」がいじめへと繋がることもある。こうした社内いじめの相談窓口は「法テラス」や市町村の窓口など様々に存在するが、あまり周知されていないのが現状だ。(編集担当:北条かや)