28日、総務省が発表した2月の完全失業率(季節調整値)は3.6%であり、前月に比べて0.1%ダウンし、2007年7月の3.6%以来、6年7ヶ月ぶりの低水準に改善した。総務省は「雇用情勢は引き続き持ち直している」との分析を行っている。
景気回復ムードに伴い労働力需要は引き締まり、メーカーによっては採用を前倒しで行うなど、労働市場全体に改善傾向がみられる。それを裏付けるように、同日に厚生労働省が発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)も1.05倍と、6年6ヶ月ぶりの高水準となった。
今回総務省が発表した内容を季節調整値で見てみると、就業者は6332万人と前月より13万人増加し、その一方、完全失業者は233万人で前月よりも9万人減少した。これで完全失業者数は4ヶ月連続で減少となった。非労働力人口についても4513万人と前月よりも4万人減少となっており、総務省は2月の労働力調査に関して、「労働市場からの退出の動きもみられておらず、雇用環境はタイトになっている」との分析を行っている。
完全失業率を男女別に見てみると、男性が0.2ポイントダウンの3.7%、女性が0.2ポイントダウンの3.3%であった。女性の失業率は1997年9月の3.3%以来、16年5ヶ月ぶりの低水準であった。また雇用形態で見てみると、正規の職員・従業員は3219万人で前年同月に比べて54万人減少したものの、非正規の職員・従業員は1989万人で前年同月よりも89万人増加した。役員を除く雇用者に占める非正規の割合は38.2%にアップし、13年1月に調査を開始して以来、最も高い水準となった。
そして厚生労働省が発表した有効求人倍率に関してだが、これはハローワークで仕事を探す人1人あたりに何件の求人があるかを示している。2月は1.05倍と、4ヶ月連続で1倍を超える結果となった。このことから、仕事を探す人数よりも仕事の数の方が多い状態であることが分かる。しかし正社員に限った求人倍率は前月と同じ0.67倍(原数値)であり、非正規雇用を求める企業が多い現状が伺える。(編集担当:滝川幸平)