医薬品副作用 役所研究資料が特定秘密の危険

2014年03月31日 20:31

 特定秘密保護法で薬害情報、医薬品副作用の役所研究資料が特定秘密の対象にならないよう監視しなければならない。元総理で、元厚生大臣の官直人衆議院議員はウエブサイトでエイズ治療薬にかかる情報公開の遅れがエイズ被害を拡大させたとし、特定秘密保護法の下で医薬品副作用の役所内研究資料が秘密指定されるようなことにならないよう監視する必要を伝えている。

 菅元厚生大臣は1996年に大臣に就任した際に、薬害エイズ問題を究明し、被害者に謝罪した経緯がある。菅元厚生大臣は医薬品副作用情報の公開について「薬害エイズでは厚生省が主催していたエイズ研究班の議事録が公開されず、研究班の資料を歴代大臣が探しても『見つからない』として隠されたため、被害が広がり、救済が遅れた」と指摘。

 新薬であればあるほど、副作用情報の公開が必要だが「役所内での研究資料が特定秘密保護法により秘密指定されれば公開されないことになる」と医薬品の副作用に関する役所内の研究資料がその対象にならないよう監視する必要があることを経験則から伝えている。

 菅元厚生大臣は「薬害エイズ事件は血友病の患者が医師から受けた血液製剤の注射でエイズ感染するという薬害」だったが「血液製剤は開発された当時、血友病に対する画期的な治療薬といわれた。その材料となる血液はアメリカでの売血で、多数の人からの売血が一緒にされ、その中に一人でもエイズ感染者がいれば、エイズウイルスが混入し、感染につながった」。

 菅元厚生大臣は「薬の開発には常に副作用の危険性が伴う。難病に苦しむ人は多少の危険性があっても新しく開発された効果の高い薬に期待する。それだけに副作用情報の公開が必要となる。この事件が大きなきっかけとなって、1999年、情報公開法が成立した。しかし、最近では秘密保護法によって行政に都合が悪い情報を隠すことができることになってきた。薬害エイズ研究班の資料と同じような役所内での研究資料も秘密指定されれば公開されないことになる」と監視の必要を提起している。エイズ治療については「今は一般の感染症の病気と同じように治療ができるようになった」。(編集担当:森高龍二)