缶コーヒー市場、冬の最需要期に向け早くも商戦開始

2012年08月20日 11:00

 カフェショップの定着やファストフード・チルド商品など、コーヒーを楽しめる環境が増えたことに加え、フレーバーティーなどの新たな嗜好飲料、エナジードリンクなどの台頭により、停滞の続いている缶コーヒー市場。この現状を打開すべく、そして冬場の缶コーヒー最需要期に向けて、缶コーヒーメーカー各社が新たな商品のラインナップを開始しており、その商品が9月から次々と店頭に並んできそうである。

 ダイドードリンコは、1975年の発売以来、ロングセラーを続けている「ダイドーブレンド」ブランドから、「ダイドーブレンド ブレンドコーヒー」「ダイドーブレンド ブレンド微糖」「ダイドーブレンド ブレンド砂糖ゼロ」「ダイドーブレンド ブレンドラテ」を9月3日から発売。同日には、UCC上島珈琲も冬場のホット販売シーズンに向けたリキャップ缶入りホット専用製品「UCC BLACK無糖 プラチナアロマHOT LIMITED VER.リキャップ缶275g」「UCC THE DEEP BLACK無糖HOT LIMITED VER.リキャップ缶385g」を新発売する。

 またアサヒ飲料は9月11日から、濃厚でデラックスな飲み応えの缶コーヒー「ワンダ デラックス1(ワン)」を発売。厳選したコーヒー豆をブレンドした深いコクが特長のエスプレッソコーヒーと、牛乳の使用量を2倍にしたことによる、飲み応えのある濃厚な味わいを実現しているという。

 さらに9月18日にはサントリー食品インターナショナルが、発売以来、幅広いラインナップを展開し、今年8月には発売20周年を迎えるロングセラーブランド「BOSS」から、新たなラインナップとして、「ボス ドライブショット」を発売する。有糖ミルク入りタイプで、主に仕事で車を運転する人をターゲットに開発したもので、カフェイン量を約1.2倍に増量した商品となっている。

 巨大市場であり、かつ、利益率の高いと言われる缶コーヒー。そのため、缶コーヒーを製造・販売するメーカーにとっては基幹ともいえる分野である。冬の最盛期に向け、紅茶やショウガ入り飲料など新たな定番を窺う商品が着実に規模を広げる中、缶コーヒーを巡る商戦は今後益々加熱するであろう。どこまで市場を維持・伸長できるのか、各メーカーの取り組みに注目が集まるところである。