対韓外交 注目される野田政権の対応

2012年08月15日 11:00

 韓国の李明博大統領の竹島上陸への政府の対応次第で野田内閣と政権与党の外交力への信頼が失墜する可能性が高まっている。

 参議院外交防衛委員会理事でヒゲの隊長で知られる佐藤正久参議院議員(自民)はツイッターで韓国大統領が竹島上陸に関し「国際社会での日本の影響力も以前ほどではない」と語ったなど、大統領や報道官の発言に対し「韓米関係が日米関係より上だという自信の表れ。民主党の罪だ」と外交政策のまずさが今日の事態を招いていると指摘。慰安婦問題なども背景にあるとして「総合的な対抗策」を政府に求めている。

 朝鮮日報では韓国大統領の竹島(韓国名で独島)訪問に日本政府が「さまざまな措置の検討に踏み切った」と報じるととともに「日本の究極的な戦略は独島を紛争地域化し、国際司法裁判所に独島問題を付託することだ。日本が教科書、外交青書などを通じて独島に対する領有権を主張していた段階からさらに一歩踏み込み、物理的な手段で紛争をエスカレートさせる可能性もある」と報じ、「支持率が低迷している野田佳彦首相が年内にも見込まれる衆議院の解散総選挙を控え、独島問題をカードとして利用する公算が高まっている」と報じた。

 竹島問題が次期総選挙で政権与党への大きな攻撃材料になるかどうかは政府の今後の対応次第だが、政権奪回をめざす自民党からは「こういう事態を起こさせないのが外交」(石原伸晃幹事長)と批判や外交力への懸念の声が強い。野田政権にとっては日韓外交をどう推し進めることが国益につながるのか、難しい対応を迫られている。
(編集担当:森高龍二)