世界卓球選手権て思うこと  国威発揚と帰化の問題

2014年05月11日 09:58

 世界卓球選手権は今回東京で行われ、日本は男子女子ともにメダルを取った。毎回結果を残している日本チームは世界では競合の部類に入るのは間違いないのだが、男子女子ともに金メダルをとった常勝・中国と比べるとどうしても日本チームの弱さが際立つ。今回は、男子は中国との直接対決はなかったが、女性は31年ぶりの決勝進出で中国と戦ったのだ。しかし結果は3-0の完敗。今回は福原愛選手が負傷のため代役として出場した石垣選手が日本選手の中で唯一1セットを取ったのがハイライトだった。

 ではなぜ中国はここまで卓球がここまで強いのだろう。中国は社会主義国で、スポーツで国力の高さを見せる必要があるのが大きな理由だろう。そして数あるスポーツの中でも卓球は比較的小柄なアジア人に合っていること、その中でも中国人は人口の多さと社会主義の利点を活かして英才教育ができたことが大きいのではないか。

 日本でもときに天才と呼ばれる選手が出てくる。そのような選手でも中国選手には勝てないのだ。中国選手も中国で勝てないので他の国に帰化してその国の代表となって戦っている。数年前までは日本の代表チームにも中国からきた選手がいた。そして今回は欧州のチームの中に準中国チームと呼んでもいいようなチームもいたのだ。

 アジアのチームにも他国から帰化した選手はもちろんいるし、それはルールに則っているので決して悪いことではない。それでも選手層の厚さからいつの日か中国選手あるいは中国出身の選手のための卓球大会になるのではないかという懸念は常にあるのだ。

 日本を抜いて、世界第二位の経済大国に踊りでた中国。もちろん一位は米国だが、こと卓球に関しては、間違いなく世界ナンバーワン国家だろう。そして経済で追い越された日本。卓球では逆に中国を追い越す日はやって来るのだろうか。こういった視点から日本と中国の卓球の世界をとらえて見るのも一考ではないだろうか (編集担当:久保田雄城)