日本で学ぶ外国人留学生が増えている。日本学生支援機構によれば、83年に1万人だった外国人留学生は、2013年の時点で13万人超。グローバル化やアジア諸国の成長、留学生の受け入れに熱心な大学の増加を背景に、多くの外国人学生が日本を訪れる。
日本企業も、優秀な外国人の採用に力を入れる。株式会社ディスコの調査(13年9月)では、13年度に外国人留学生を採用した企業は全体の35%。14年度(見込み)については「採用する」が48%と、半数近くに達した。特に1000人以上の大企業では、7割が外国人留学生を採用したいと回答。大手を中心に「国籍問わず優秀な学生を集めたい」との風潮が高まっている。
とはいえ、日本ならではのルールにとまどう留学生も多い。ディスコが「日経就職ナビ」に登録している外国人留学生を対象に、「日本の就活で違和感を覚える制度や習慣」を尋ねたところ、1位は「筆記試験」で37%、次いで「服装」と「就職活動の時期」がともに32%となった。ディスコによると、海外ではレジュメ(履歴書)と面接が選考のメイン。筆記試験は行わないケースが多く、とまどう学生が多いようだ。日本独自の「OB・OG訪問」や「新卒一括採用」も、3割弱の留学生が「違和感がある」と答えている。
留学生からは、「企業側は、留学生の採用予定があるかどうかについて、はっきり明示していただきたい(中国出身)」といった声や、「面接の回数が多すぎる。筆記試験で判断する企業が多いから、留学生にとっては非常に不利だと思う(ベトナム出身)」、「新卒一括採用制度に違和感があります。これを逃せば就職のチャンスが大幅に減るのは、理不尽な気がします。説明会参加などの拘束が強く、学業の時間を割かねばならないことに不満を感じています(中国出身)」などの声が寄せられた。学業との両立の大変さや、新卒一括採用への違和感、採用実績を明示しない企業への懐疑心。これらは日本の就活生からもよく指摘されるが、外国人留学生にとってはなおさらだろう。(編集担当:北条かや)