押し寄せる難民 制度発足以来最多に

2014年03月24日 09:43

難民

難民認定数申告数は2010年を境に急速に増加している。10年間で約8倍になっている。

 法務省入国管理局は20日、2013年における難民認定者数等を発表した。13年に日本で難民認定申請を行った者は3260人で、前年に比べ715人(約28%)増加した。また、難民の認定をしない処分に対して異議の申立てを行った者は2408人であり、前年に比べ670人(約39%)増加した。申請数及び異議申立数いずれも日本に難民認定制度が発足した1982年以降最多となった。

 難民として認定した者は6人(うち3人は異議申立手続における認定者)、難民として認定しなかった者は、難民認定申請(一次審査)で2499人、異議申立てで921人だった。また、難民とは認定しなかったものの人道的な配慮が必要なものとして在留を認めた者は151人であり、難民として認定した者を合わせた数(庇護数)は157人であり,前年に比べ27人(約21%)増加した。

 難民認定申請を行った者は3260人で、前年に比べ715人(約28%)増加し申請者の国籍は、66カ国にのぼり、主な国籍はトルコ658人、ネパール544人ミャンマー380人、スリランカ345人、パキスタン241人バングラデシュ190人、インド165人、ガーナ114人、カメルーン99人、ナイジェリア68人となった。

 申請者の申請時における在留状況は、正規在留者が2404人(申請者全体の約74%)で、不正規在留者が856人(同約26%)となっている。なお、不正規在留者のうち収容令書又は退去強制令書が発付された後に申請を行った者は673人(約79%)となった。

 申請者全体の約22%に当たる720人が、過去に難民認定申請を行ったことがあり、このうち正規在留者は409人で、うち、難民認定申請中であることを理由に付与された在留資格「特定活動」を有する者が約91%となった。不正規在留者は311人で、うち、既に退去強制令書の発付を受けている者が約88%となった。

 難民認定申請の処理数は2642人で、前年に比べ444人(約20%)増加した。内訳は難民と認定した者3人、難民と認定しなかった者2499人、申請を取り下げた者等140人。不認定者の主な国籍は、トルコ459人、ネパール443人、ミャンマー310人、パキスタン223人、スリランカ204人、ガーナ145人、バングラデシュ125人、インド121人、ナイジェリア95人、カメルーン74人となった。(編集担当:慶尾六郎)