政府のエネルギー・環境会議が示しているエネルギーに占める原発依存度への3つの選択肢(2030年のエネルギー原発依存度ゼロ、15%、20%から25%)について、一般国民の支持は「原発依存度ゼロ」が多いなか、経済界では「ゼロ」や「15%」とするシナリオ支持が全くないことが日本経済団体連合会の環境本部の調査で浮き彫りになった。
これは日本経団連が135団体を対象に7月3日から19日にかけて実施したもので、33団体(20団体は製造業)から回答を得た。13日発表した。
それによると、ゼロシナリオと15%シナリオを選んだ回答は皆無だった。20%から25%を選択する回答も38%にとどまり、62%は「そのほか」を選んだ。「経済への影響や実現性に乏しいなど、いずれのシナリオも適切でない」などの意見が出されていたという。
回答では利益、生産、雇用、設備投資、国際競争力ともに「減少」「低下」とする回答が多かった。特に、利益についてはゼロシナリオでは大きく減少が76%、減少するが24%と100%が減少すると回答。20%から25%のシナリオでも88%が利益は減少すると回答した。
ただ、世論をふまえれば、企業の利益、生産、雇用、設備投資、国際競争力の問題を超えて、脱原発を選択する努力が求められている。(編集担当:森高龍二)