東京センチュリーリース(TCL)と京セラが、太陽光発電による売電事業を共同で実施することについて合意し、両社の共同出資によるSPC(特別目的会社)「京セラTCLソーラー合同会社」を設立すると発表。資本金は1億円、比率はTCL81%・京セラ19%を予定している。
再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度(FIT)が7月1日から開始されたことを受け、現在、両社には取引先や自治体等から太陽光発電所設置の用地情報が数多く寄せられているという。今回のTCLが主体となるSPC(特別目的会社)の設立は、これら各方面からの事業化要請に応えるもの。新会社では、1箇所あたり出力2メガワット未満のメガソーラーを建設し、今後国内各地において売電事業を複数実施していくとのこと。既に大分県、香川県、福岡県、山口県において9案件、合計約16メガワットの事業化が内定しており、初年度となる2012年度は合計30~35メガワット(15~20案件相当)を予定している。さらに、今後3年間にわたる事業計画として、合計60~70メガワットの発電事業を見込んでおり、これは一般家庭約2万世帯分の年間電力消費量に相当するものとなる。
メガソーラー発電所の建設ラッシュなど、国内の太陽光発電市場が急速に拡大している。これらの事業が稼働するのは、その多くが来年以降となる。この市場拡大により、昨年来続く電力不足への懸念は払拭されるのであろうか。また、電気事業者が買取りに要した費用は、電気料金の一部として、国民が再生可能エネルギー発電推進付加金によって賄われることもあり、電気料金の高騰など不安要素もある。今は普及を図る段階であるため建設ラッシュなどは歓迎すべきであるが、普及が進み成熟期に入った時、どういった施策が取られるのか、注目が集まるところであろう。