2013年のエイズ発症者数、過去最多の484人

2014年05月28日 22:18

 今なお多くの人々に対して猛威を振るい続けている、エイズという病。発症の原因となるエイズウイルスに感染する可能性は、誰しもが持っている。決して他人事ではない。エイズが発症すると免疫力がどんどんと低下し、健康状態の人間であれば何の問題もない菌やウイルスからも様々な病気を発症することとなる。

 そして23日、厚生労働省のエイズ動向委員会が、2013年に検査を受けないままエイズを発症させた患者の数を発表。その数は484人で、1985年の報告開始以来過去最多の人数であった。これまでは11年の473人が最多であったが、それより11人増えた。2月に発表された速報値では469人であったが、さらに増加した。エイズウイルス感染者の数は過去二番目の人数となる1106人であった。また13年末の時点でのエイズウイルス感染者は1万5821人、エイズ発症者は7203人で、合計で2万3015人であった。

 感染経路で最も多かったのが、同性間での性的接触による感染で、全体の7割近くを占めた。また年齢別ではエイズウイルス感染者では30代が370人と最多で、エイズ発症者では50代以上が157人と最多であった。こうしたエイズウイルス感染者とエイズ発症者の合計人数は07年以降、毎年1500人前後で推移しており、13年末の時点での合計人数は2万3015人となった。

 その一方で、保健所などでの検査件数は前年よりも約5000件増えて13万6400件であった。しかし相談件数は08年の約23万件から大幅に減少し14万5401件であった。

 エイズ動向委員会によれば、00~08年の間にエイズウイルス感染者の報告数が増加し、この期間中に感染に気がついていなかった患者の発症が、昨今の発症者増加に繋がっている可能性があるとの分析を示している。

 エイズウイルスに感染しても、早期に発見し適切な治療を受ければ発症は抑えることができる。しかし症状が出始めてから感染に気づく人が、例年3割程度はいるという。各地の保健所や医療機関でエイズウイルス検査を受けることができるので、身に覚えがあるないにかかわらず、一度検査を受けることをお勧めしたい。(編集担当:滝川幸平)