【今週の振返り】テクニカルの壁を次々突破し170円上昇した週

2014年05月31日 16:50

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「鉄の壁」だった75日移動平均線も日足一目均衡表の「雲」も、200日移動平均線も突き抜けたが……

 前週末23日のNYダウは63ドル高で、NASDAQは31ポイント高。3連休前の買い手控えムードの中でも3日続伸し、S&P500は終値ベースで史上最高値更新。4月の新築一戸建て住宅販売件数は前月比で3ヵ月ぶり増加の6.4%増で市場予測も上回り市況を下支えした。22日の中古住宅販売件数ともども住宅関連指標が明るさを取り戻す。26日朝方の為替レートは、ドル円が102円近辺、ユーロ円が139円近辺で、前週よりも円安が進行した。

 日経平均は130.43円高の14592.60円で75日移動平均線を突破して始まった。しかし14600円にタッチできず午前9時19分に14546円まで下げる。その後はおおむね14550~14580円の狭いレンジで推移し、上海、香港市場がプラスで始まっても反応薄。動きが乏しいままに前引は14567円だった。

 後場は前引に近い水準で再開するが、為替のドル円が少し円高に振れたため下落し午後0時43分、14531円で底を打つ。それでも1時台にドル円が円安方向に戻すと前場の14550~14580円のレンジにおさまった。そして終盤の20分間は先物がどんどん上昇して14600円を突破し、日経平均現物もそれに導かれて始値を超え、2時59分に14600円にタッチし、終値は140.35円高の14602.52円で3日続伸した。日中値幅は71円だった。TOPIXは+14.25の1194.69でこれも高値引け。売買高は17億株、売買代金は1兆5308億円で、英米が3連休中で商いは薄かった。

 日経平均は終盤の高値引けで4月8日以来の終値14600円台に乗せ、日足一目均衡表の「雲」の上に出た。終値ベースで雲の上に出るのは1月29日以来約4ヵ月ぶりになる。

 プラス上位は証券、その他金融、電気・ガス、サービス、金属製品、ゴム製品など。プラス下位は保険、空運、医薬品、石油・石炭、建設など。マイナスは鉱業だった。

 26日のロンドン市場、NY市場、CMEなどは休場。27日朝方の為替レートはドル円101円台後半、ユーロ円139円近辺だった。

 日経平均は12.73円安の14589.79円と小反落でスタート。午前9時2分に14588円で底を打って5分ほどでプラスに転じ、14647円の200日移動平均線もあっさり突破。TOPIXも1200の大台に乗せる。30分もたたないうちに日経平均は14700円台に乗せた。上海や香港がマイナスで始まったのが影響して割り込む時間帯もあったものの、おおむね14700円オーバーで、前引は14729円だった。

 後場は一段高で始まり、午後0時39分に14744円の高値をつける。しかしそこから14700円を割りかけるところまで下落。1時台には持ち直すが、2時台になると利益確定売りが入って14700円を大きく割り込み、TOPIXも1200を割る。終盤は先物主導でさらに下落して14650円も守りきれず終値は34.00円高の14636.52円で、4日続伸しても最後は200日移動平均線を割り込んで引けた。日中値幅は156円。TOPIXは+0.42の1195.11でかろうじて4日続伸。売買高は19億株、売買代金は1兆7027億円だった。

 プラス上位はパルプ・紙、鉄鋼、証券、陸運、不動産、金属製品など。マイナス下位は電力・ガス、海運、繊維、その他金融、鉱業、石油・石炭などだった。

 3連休明け27日のNYダウは69ドル高で4営業日続伸。NASDAQ総合指数は51ポイント高で続伸。耐久財受注額が前月比で0.8%増で市場予測の0.5%減を良い方に裏切った他、消費者信頼感指数が前月比1.3ポイント増で2ヵ月ぶりに上昇と経済指標が後押しし、モメンタム銘柄もおおむねプラス。食品業界で大型M&Aのニュースがあり、アストラゼネカ買収をあきらめたファイザーも0.4%上昇した。28日朝方の為替レートはドル円が102円近辺、ユーロ円が139円近辺。

 日経平均は10.41円高の14646.93円で始まる。今年に入ってから日経平均の5日続伸はなく、それを意識したのか乱高下し、午前9時台はマイナス圏の14610円とプラス圏の14670円の間でほぼ2往復する。10時台になるとプラス圏小幅高で安定し、上海、香港市場が序盤プラスで始まると再び14670円にタッチするが、11時台には上値を抑えられて、前引は14643円だった。

 後場は午後0時台に急伸して14700円にタッチする。1時台も何度もタッチし、2時33分には14717円の高値を取ってこのまま14700円台で終われるかと思いきや、終盤の大引け直前、前日と同じように先物主導で押し下げられた。それでも終値は34.43円高の14670.95円で今年初の5日続伸を達成した。日中値幅は109円。TOPIXは+3.06の1198.17で終値1200の大台乗せはお預け。売買高は19億株、売買代金は1兆7898億円だった。

 値上がり率上位セクターは水産・農林、建設、保険、金属製品、その他金融、鉱業など。値下がり率下位セクターは不動産、海運、石油・石炭、鉄鋼、パルプ・紙、その他製造などだった。

 28日のNYダウは42ドル安で5営業日ぶりに反落し、NASDAQも11ポイント下落した。利益確定売りに押されながらプラスになる場面もみられ、好調な経済指標を背景とした買い基調は続く。建設大手のトール・ブラザーズの好業績が住宅市場への懸念を緩和していた。モメンタム銘柄の指標として最近よく参考にされる中・小型株指数「ラッセル2000」は0.48%下落でも依然1100オーバーの高値圏。29日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が138円台前半で前日よりも円高。アメリカの長期金利が再び2.44%まで下落してドルが安くなり、ウクライナ情勢に加え来週のECB理事会での利下げ期待も盛り上がりユーロは下がり続けた。