前週末23日のNYダウは63ドル高で、NASDAQは31ポイント高。3連休前の買い手控えムードの中でも3日続伸し、S&P500は終値ベースで史上最高値更新。4月の新築一戸建て住宅販売件数は前月比で3ヵ月ぶり増加の6.4%増で市場予測も上回り市況を下支えした。22日の中古住宅販売件数ともどもイエレンFRB議長が心配する住宅関連指標が明るさを取り戻す。ハイテク系銘柄では人員リストラを発表したHPが6.1%高と買い戻されたが、アマゾン2.4%高、ツイッター3.24%安などまちまち。26日朝方の為替レートは、ドル円が102円近辺、ユーロ円が139円近辺で、前週よりも円安が進行した。
23日のシカゴCME先物清算値は14560円。25日投票のウクライナの大統領選挙は親EU派のポロシェンコ氏が出口調査で当選を確実にしたがロシアに特に動きなし。25日まで投票が行われた欧州議会選挙の中間集計は反EU派が躍進しても中道右派が最大会派を維持する見通しで少し安心させる。取引時間前の外資系証券の売買注文動向は3営業日ぶりの買い越しで、日経平均は130.43円高の14592.60円で75日移動平均線を突破して始まった。しかし14600円にタッチできず「寄り天(寄り高)」で下落して午前9時19分に14546円まで下げる。その後はおおむね14550~14580円の狭いレンジで推移し、上海、香港市場がプラスで始まっても反応薄。動きが乏しいままに前引は14567円だった。
後場は前引に近い水準で再開するが、為替のドル円が少し円高に振れたため下落し午後0時43分、14531円で底を打つ。それでも1時台にドル円が円安方向に戻すと、何事もなかったかのように前場の14550~14580円のレンジにおさまった。そして終盤の20分間は先物がどんどん上昇して14600円を突破し、日経平均現物もそれに導かれて寄り天だった始値を超え、2時59分に14600円にタッチし、終値は140.35円高の14602.52円で3日続伸した。日中値幅は71円だった。TOPIXは+14.25の1194.69でこれも高値引けの競演。売買高は17億株、売買代金は1兆5308億円で、英米が3連休中で商いは薄かった。
日経平均のローソク足はマドを空けて陽線(白)が三本並び立ち、酒田五法いわく「三空踏み上げには売り向かえ」で上値を抑えられ下落するかとも思われたが、終盤の高値引けで4月8日以来の終値14600円台に乗せ、ついに日足一目均衡表の「雲」の上に出た。終値ベースで雲の上に出るのは1月29日以来約4ヵ月ぶりになる。「雲の向こう側はいつも青空だ」(ルイ・アラゴン)で、今週は15000円突破に向けて視界良好か?
東証1部の値上がり銘柄は1583で全体の87%を占め、値下がり銘柄は166。33業種別騰落率は32業種が上昇し下落は1業種のみ。プラス上位は証券、その他金融、電気・ガス、サービス、金属製品、ゴム製品など。プラス下位は保険、空運、医薬品、石油・石炭、建設など。マイナスは鉱業だった。
日経平均採用225種は値上がり192銘柄、値下がり28銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+22円、2位はソフトバンク<9984>で+17円。マイナス寄与度1位はストップ安比例配分の大日本住友製薬<4506>で-11円、2位はトレンドマイクロ<4704>の-2円だった。
メガバンクでは三菱UFJ<8306>が9円高で4日続伸と好調。みずほ<8411>は4円高、三井住友FG<8316>は69円高だった。業種別騰落率1位の証券は野村HD<8604>15円高、大和証券G<8601>22円高。アイフル<8515>は売買高1位、売買代金2位の大商いで24円高になり、その他金融セクターは業種別騰落率2位だった。日米で燃料電池車用の水素インフラを整備すると伝えられたトヨタ<7203>は42円高。ホンダ<7267>は63円高で6日続伸し、富士重工<7270>は61円高。デンソー<6902>は130円高で3日続伸した。
ソニー<6758>は上海の企業と合弁で中国で「プレイステーション」の製造・販売に乗り出すと報じられて反転し51円高。売買代金6位。ソニーとパナソニック<6752>が有機EL事業の売却を検討という報道があったが、ジャパンディスプレイ<6740>との間で提携を協議という報道もあり情報は錯綜。ジャパンディスプレイは5円高。パナソニックはテスラ・モーターズとの電気自動車の合弁事業で技術供与を行うという材料もあり3円高と買われた。NEC<6701>10円高、富士通<6702>20円高で年初来高値更新、日立<6501>5円高、東芝<6502>11円高など電機大手は軒並み高だった。