ITデジタル家電の夏ボーナス商戦は4K効果で薄型テレビが焦点に

2014年06月17日 12:12

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「薄型テレビ」の購入意向はITデジタル家電の中では「ノートパソコン」と並んで1位となり、購入意向を示した就業者割合では昨夏の5.5%から今夏は9.2%と、3.7ポイントの増加となった

 株式会社MM総研は12日、インターネットアンケート・サービス「NTTコム リサーチ」の会員モニターを使い、全国の20歳以上の就業者1110人を対象とした「夏のボーナス商戦に関するアンケート」を実施、結果を発表した。

 Webアンケートの結果によると、この夏のボーナス支給額が「昨夏より増加する」と答えた回答者は14.9%を占め昨冬の8.7%から大きく増加した。「昨夏より減少する」との回答は5.2%でこちらは逆に昨冬の9.2%から大きく減少する結果となった。

 この夏のボーナスでの購買意欲については(今夏にボーナスが支給される817 人が対象)、「昨夏と変わらない」就業者が65.7%と最も多く、「購買意欲が下がった」就業者19.8%を大きく上回った。「購買意欲が上がった」就業者は14.4%であった。過去の調査結果と比べると、「購買意欲が下がった」就業者の割合は12年冬の31.6%から、13年夏は19.8%と大きく減少した。

 昨冬は21.5%とやや上がったものの、今回は再び昨夏と同水準まで減少し、リーマン・ショック以後では最低水準となっている。一方「購買意欲が上がった」就業者は、12年冬の10.1%から13年夏は13.0%と増加。昨冬は11.7%と若干減少したものの今回は14.4%となり、こちらは逆にリーマン・ショック以後では最高の水準となった。

 ボーナスの使い途について複数回答で聞いたところ、目立って増加したのは、「キッチン家電・生活家電」「海外旅行」「ITデジタル家電」であった。特に「キッチン家電・生活家電」は昨夏の6.4%から今夏は12.6%と6.2ポイント上昇している。「海外旅行」は昨夏比3.4ポイント増加の11.6%、「ITデジタル家電」も昨夏比2.2ポイント増加の34.8%となった。

 ITデジタル家電のランキングは、「薄型テレビ」と「ノートパソコン」が全体の9.2%を占めトップで並び、次いで「スマートフォン」が3位(6.5%)、「タブレット端末・電子書籍端末」が4位(5.8%)、「デジタルカメラ」が4.1%で5位という結果となった。なお、6位以降は「デスクトップパソコン」(3.1%)、「ブルーレイディスクレコーダー」(2.0%)、「携帯型音楽プレーヤー」(同)、「家庭用ゲーム機(据置型)」(同)、「カーナビ」(同)、「ETC」(1.7%)と続いた。

 また、昨夏のボーナス時に購入したITデジタル家電ランキングの上位は、1位は「ノートパソコン」で7.3%、2位は「スマートフォン」で6.1%、以下3位は「薄型テレビ」の5.5%、4位は「デジタルカメラ」で5.2%、5位は「タブレット端末・電子書籍端末」(3.0%)「デスクトップパソコン」(同)であった。

 「薄型テレビ」の購入意向はITデジタル家電の中では「ノートパソコン」と並んで1位となり、購入意向を示した就業者割合では昨夏の5.5%から今夏は9.2%と、3.7ポイントの増加となった。購入意向を示した27人中18人が「4Kテレビ」を購入する意向を示しており、今月から試験放送が始まった4K放送の本格化を見越して購入する人が多くなっている。また、今月13日にブラジルで開幕するサッカーワールドカップのテレビ中継を観るために、大画面の機種へと買い替える動きがあることも影響している。

 「ノートパソコン」は昨夏の7.3%から今夏は9.2%と1.9ポイント増加した。「Windows XP」のサポートは4月に終了したが、まだ最新機種への置き換えが完全に終わっておらず、引き続き買い替え需要が続いている。7月に発売される日本マイクロソフトの「Surface Pro 3」への期待も高まっている。(編集担当:慶尾六郎)