勝敗のポイントは価格か技術か 4Kテレビ合戦のゴング鳴る

2014年05月25日 21:15

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4Kテレビの勝敗のポイントは価格なのか、技術なのか。いずれにしてもゴングは鳴った。

 もはや映像製品についてはフルハイビジョンの4倍の解像度の「4K」対応でなければウリにならないところまできているようだ。次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)が124/128度CSデジタル放送で放送する4K試験放送も2014年6月から始まる。このため、特に今後もTV戦線は4Kか、どうかが焦点となりそうだ。

 その高画質化のおかげで業績が好調なシャープは20日、業界で初めて4K試験放送を受信できる「AQUOS 4Kレコーダー」<TU-UD1000>と組み合わせることで、臨場感あふれる映像を視聴できる4K対応液晶テレビ「AQUOS」UDシリーズ3機種「LC-70UD20」、「LC-60UD20」、「LC-52UD20」を6月と7月に発売すると発表した。

 4K試験放送(4K60p)を視聴するには、映像をデジタル伝送する「HDMI2.0規格(4K60p)」に準拠し、コンテンツ保護規格の「HDCP2.2」に対応したテレビと、4K試験放送を受信するチューナーが必要。しかし、両規格を備えた同機だと、同時発売するAQUOS 4Kレコーダーと組み合わせることで、家庭でいち早く4K試験放送を視聴できる。

 また、映像配信サービス「ひかりTV」で本年10月より提供が予定されている4Kビデオオンデマンド配信に対応したHEVCデコーダーを業界で初めて搭載し、同機だけで4K映像を楽しむこともできるという。価格はオープンで、発売は「LC-70UD20」と「LC-60UD20」が6月25日、「LC-52UD20」が7月15日。

 また、同日韓国のLGエレクトロニクスの日本法人LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社も、4K対応の新しいLG Smart TV 「55LA9650」を含む3シリーズ6モデルを2014年5月下旬より全国で順次販売すると発表した。

 55LA9650は、LG独自の4K IPSパネルを搭載し、どの角度からでも色合いやコントラストの変化が少なく、高精細な映像を画面の隅々まで再現。また、LEDバックライトの光量を部分制御することで、映像の持つコントラスト表現を最大化する。さらに、スポーツやアクション映画など速い動きのある映像もブレの少ないスムーズな描写を実現。臨場感、没入感を追求した2.1ch 5スピーカーの高音質サウンドシステムも搭載している。
 
 水平3840×垂直2160画素の高精細4K映像のポテンシャルを徹底的に引き出すために、独自の液晶分子配列により、高発色、広視野角を実現したLG独自の4K IPSパネルを搭載。高精細であるがゆえに、比較的近い距離から見ることの多い4K対応テレビだが、4K対応新LG Smart TVは、視聴角度による色合い、コントラストの変化がほとんどなく、大画面でみずみずしい色彩や圧倒的な臨場感を楽しめるという。
 
 また、こちらもHEVCデコーダーをあらかじめ内蔵しているため、外付けのデコーダーを別途用意することなく、テレビ一台で4K映像配信サービスなどに対応できる。しかし、4K放送の受信には今後発売される別売のチューナー等が必要となる

 シャープは価格についてはオープンとしか情報はないが、LGエレクトロニクスは今回の新製品について、予想実売価格として8万5000円から31万円としている。今後も各メーカーが次々と4Kテレビを発売するだろう。勝敗のポイントは価格なのか、技術なのか。いずれにしてもゴングは鳴った。 (編集担当:慶尾六郎)