勝手に駐車、勝手に省エネ、勝手に快適な家がすぐそこに

2014年06月21日 20:24

Smart_House

積水ハウス、東芝、ホンダの協業でさいたま市に完成した「スマートハウス」は、「ガソリンスタンドに行かない家族」が住まう住宅だという。フィットEV(写真右)は勝手に自車駐車位置まで戻る“優れもの”だ。写真左の電動車「MC-β」は親世帯のキッチンから雨に濡れずにアプローチ出来る。

 先般、本田技研工業(ホンダ)+積水ハウス+東芝の協業による次世代住宅「スマートハウス」の実証実験において、「HEMS」(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)から集合住宅や町内会といった小さなコミュニティを管理コントロールする「μCEMS」(マイクロ・コミュニティ・マネージメント・システム)に概念を拡大するというレポートを届けた。

 昨年11月、第43回東京モーターショーで、積水ハウスと東芝、ホンダの3社が最新の次世代「スマートハウス」を合同で提案していた。そして、2020年の未来の暮らしを具現化した「スマートハウス」として、この5月に完成した実証実験住宅がマスコミ関係者に公開された。

 今回3社は、モビリティを含めた暮らしのCO2排出量をゼロにする2020年の暮らしを想定し、この実証実験住宅を建設した。実際に人が住めるこの2世帯住宅で、2020年の暮らしを実現する技術の確立と実用化を目指して、さまざまな検証を行なう。ホンダ製の屋内移動支援スツールとも言うべき「UNI-CUB β」などのロボティクスの活用に対応させ、積水ハウスのノウハウを盛り込んだ玄関・ベランダまで含めた完全にフラットな床を採用し、廊下のコーナーは曲面で仕上げた。実際にUNI-CUB βでリビングから洗面所、トイレ、バスルームを回って玄関前の廊下経由でリビングに戻ることができ、その間の扉はすべて自動ドアとなっている。もちろん玄関ドアもオートドアである。

 最新の実証実験住宅は、設備仕様も最新のバリアフリーで廊下・緩傾斜階段などの幅が1200mmと通常の積水ハウスのスタンダードよりも200mm広いなどの特徴もある。また、子世代が住まう2階居室では、HEMSで連動させて、エアコンなどの家電やブラインド、照明、窓の開閉を自動コントロール。室内外の温度や照度などをセンサーでとらえて、家が勝手に省エネと快適を実現してくれる。例えば、外が涼しい場合は、エアコンが停止し、ブラインドと吹き抜けの窓が自動で開き、心地良いそよ風を室内に導きいれてくれる。窓越しに見えるバルコニーに配した坪庭の緑も眼にまぶしい。また都心部での緑化提案として、壁面緑化による周囲への景観配慮などにも、最新技術を活用しつつ、自然を取り込みながら暮らしの快適さを高めようという積水ハウスの思想と工夫が凝らされている。

 この3階建の実証実験住宅は、1階に親世帯、2、3階に子世帯が居住するという想定だ。子世帯、親世帯それぞれで、ホンダ製のガスエンジンコージェネレーションユニットで発電した電力やお湯、太陽光発電の余剰電力を融通するなど、各世帯で生み出した電気やお湯の相互供給が可能だ。

  今回、先の3社が、さいたま市に第三世代の実証実験住宅を建設し、ITやパーソナルモビリティなどの技術と、家庭、モビリティ、地域のエネルギー需給を総合的にコントロールするエネルギーマネジメント技術の実用化への検証をスタートさせたということだ。

 ここにはケーブルを接続せずにEVへの充電を行なう非接触充電も設置され、その非接触充電器に無人運転で正確にクルマを駐車させるデモも行なわれた。EVに蓄電された電力を家一軒だけでなくコミュニティ単位での最適なエネルギー需給管理の実験も行なう。このあたりの管理運用は東芝の巧みなセンサー技術と機器制御技術が担う。

 3社が連携して模索する近未来の家は、なんでも「勝手に」やってくれる快適な暮らしを実現してくれるに違いないであろう。(編集担当:吉田恒)