進化するスマートハウス ネットゼロ以上の創エネ住宅が登場

2014年05月04日 13:49

 住宅市場では今、スマートハウスへの関心が急速に高まっている。スマートハウスとは、IT技術を駆使してエネルギーマネジメントを行う「賢い住宅」のことだが、大手ハウスメーカーはもちろん、異業種からも参入が相次いでおり一大トレンドとなっている。スマートハウスを語る上での主なキーワードには「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」「HEMS」などがあるが、住宅メーカーによってコンセプトや得意とする分野は微妙に異なるようだ。

 例えば、トヨタホームではグループ企業であるトヨタ自動車で培ったハイブリッドカーの技術を活かし、家庭内の電力と車の充電を連携するスマートハウスを提唱している。また、2013年の6月にヤマダ電機と業務提携を結び、社名を変更したヤマダ・エスバイエルホームなどは、家電量販店最大手の特長を活かし、太陽光発電やオール電化にとくに力を入れた商品展開を行っている。

 そんな中、パナホームが、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)仕様をパッケージ化し、「BlueEnergy」(ブルーエナジー)として新発売したことが話題となっている。「BlueEnergy」は、建物の優れた省エネ性能と太陽光発電の創エネにより、ゼロ・エネルギーはもちろんのこと、ゼロ・エネルギーを超えるくらしも可能だ。

 同社では、2018年に戸建住宅の全商品をZEH化することと、災害時でも系統電力に頼らず生活が維持できる「エネルギー自立」の実現を商品開発の目標にしており、「BlueEnergy」の新発売も、その一環である。同社ではこれまも、発電量トップクラスを誇るパナソニック製の太陽光発電システムをはじめとする先進的な創エネ・省エネ技術や、パナホームが有する高い断熱性能などを組み合わせることでZEH仕様に力を入れていた。4.5kwの平均的な太陽光発電システムを搭載「Blue Energy」(カサート)でもネット・ゼロ・エネルギーだが、10kW以上の大容量太陽光発電システムを搭載する「Blue Energy」(エコ・コルディス)は、一次エネルギー収支約300%を達成しネット・ゼロ・エネルギーを超える。

 同社によると、「Blue Energy」(エコ・コルディス)と1990年代前半の住宅と比較した場合、光熱費年間27.5万円の削減効果と売電金額を合わせて、年間72.5万円もの節約が可能だという。エネルギーを節約できるだけでなく、家計も節約できる、まさに「賢い住宅」を実現している。(編集担当:藤原伊織)