従来の基本的立場を変えるものではない 総理

2014年06月25日 06:00

安倍晋三総理は24日夕の記者会見で、記者団から「憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認となれば、他国の戦争に参加できるようになるとの指摘がある。また、集団的自衛権を行使してアメリカの戦争に参加したイギリスなどは多くの犠牲者を出したが、日本においても(集団的自衛権の行使に伴い)犠牲が伴うのではないか」との問いに答えた。

 安倍総理は集団的自衛権に対する自身の意識について「国民の命と平和な暮らしを守るために、何をなすべきか、ということを責任ある総理として取り組んでいかなければならない」としたうえで「近隣諸国で紛争が起こり、この国から逃れようとする邦人を輸送している米国の船が襲撃にあったとして、その邦人を守ることができなくて良いのか、ということに私たちは答えを出す責任がある」と語った。

 そして「対応をしっかり行っていくことによって、抑止力は高まり、戦争に巻き込まれる可能性はより低くなっていく」との考えを示した。

 この考えについては集団的自衛権行使容認が抑止力向上になるとの総理の主張とは真逆に、集団的自衛権の行使容認が他国の戦争に巻き込まれる確率を引き上げることになり、あわせて、現行憲法は行使を認めていないとする歴代政府が構築してきた論理とも整合性が取れないとの指摘を生んでいる。

 この点について安倍総理は「現在、与党で議論を進めている。現行憲法の下で認められる自衛権の行使は必要最小限度の範囲内に留まるという従来の基本的立場を変えるものではない」と強調。

 安倍総理は「武力戦争を目的として、イラク戦争や湾岸戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも、決してありません。憲法が掲げる平和主義はこれからも守り抜いていきます。日本は戦後一貫して平和国家として歩んできた。その歩みが今後、変わることはありません」と説明した。(編集担当:森高龍二)