インフラ点検ロボットとは、インフラ設備・施設の点検において、容易に人が近づけない箇所などで作業を行うロボット。2014年度から国家プロジェクトが実施され、近接目視や打音検査といった人的な点検作業の代替を目的に、橋梁やトンネル、水中設備を対象としたインフラ点検ロボットの開発がスタートしている。それぞれの対象設備・施設ごとに参入ロボットメーカにより限定的に実用化されてきたが、参入メーカは設備点検会社、設備維持管理会社、建設会社、機械メーカなど幅広く、その企業規模もベンチャー企業から一部上場企業まである。
その矢インフラ点検ロボット市場規模は2020年度には1005台になるという。予測野経済研究所は、国内のインフラ点検ロボット市場の調査を実施した。調査期間は2014年4月~6 月、調査対象:インフラ点検ロボットメーカ及び販売会社、研究機関、関連団体等。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。
それによると、インフラ点検ロボットは「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入の推進」プロジェクトの実用化が市場規模に大きく影響してくるという。15年度までは、ロボットメーカ単独の展開や業界団体、大手ユーザ企業等の主導する開発が中心で限定的な出荷に止まり、これまでの出荷実績を維持する程度となるものと考えるとしている。
「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入の推進」は国土交通省及び経済産業省主導で進められているプロジェクトで、14年度から実施されている。近接目視や打音検査といった人的な点検作業の代替を目的に、橋梁やトンネル、水中設備を対象としたインフラ点検ロボットの開発であり、18年度までの実用化を目指している。
16年度には国家プロジェクトの実証実験等を通じて、インフラ点検ロボットの製品化が一部始まることを想定し、288台の出荷台数を予測する。特に橋梁点検において需要が見込まれ、全体を大きく牽引するものと考える。その後は、ユーザ企業にインフラ点検ロボットの認知向上やその効果が期待され、製品数とともに出荷台数も増加すると見込まれることから、20年度の国内インフラ点検ロボット市場規模はメーカ出荷台数ベースで1005台と予測した。 (編集担当:慶尾六郎)