イオンとセブンの3~5月期、明暗分かれる

2014年07月09日 09:09

 消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減は、そろそろ本格的な収束に向かいつつあるといわれている。それでは、その駆け込み需要の恩恵と反動減の影響を最も色濃く受けたと思われる流通業界、なかでもイオン<8267>とセブン&アイ・ホールディングス<3382>の3~5月期の連結決算はどうだったのか? それを見ていきたい。

 まず、イオンが4日に発表した2014年3~5月期の連結決算によれば、売上高にあたる営業収益は前年同期比17%アップの1兆7130億円、純利益は前年同期比90%ダウンの13億円、営業利益は前年同期比35%ダウンの224億円という結果であった。イオンリテールと去年の8月に子会社化したダイエー<8263>が赤字を計上。主力である総合スーパー(GMS)事業の不振が影響したものとみられる。
 
 販売促進費がかさんだことから、イオンリテールの営業損益は20億円の赤字。前年同期は20億円の黒字であった。またダイエーの営業損益も39億円の赤字で、前年同期も14億円の赤字であった。来店客数の減少、また消費税増税の反動減が影響を及ぼした。そのほか、コンビニエンスストアのミニストップも採算が悪化し営業損益は2億3200万円の赤字であり、前年同期は2億4000万円の黒字であった。

 一方、セブン&アイ・ホールディングスはというと、3日に発表された3~5月の連結決算によれば、売上高にあたる営業収益が前年同期比7.9%アップの1兆4721億円、純利益も前年同期比5.6%アップの395億円、営業利益は前年同期比5.1%アップの774億円という結果であった。これで、2年連続で同期の最高益を更新することとなった。国内のコンビニエンスストアや総合スーパー、百貨店などすべてが増収増益であった。利益率の高いプライベートブランド(PB)商品の拡大、また3月の消費税増税前の駆け込み需要が寄与したものとみられている。

 一方の営業利益は35%ダウン、もう一方の営業利益は5.1%アップで同期の最高益を更新。このように、大手2社の明暗ははっきりと分かれる結果となった。反動減の影響が収束に向かいつつある今、イオンがどんな巻き返しを図るのか? またセブン&アイ・ホールディングスの躍進は続くのか? 今後の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)