ジーエフケーマーケティングサービス ジャパンは26日、生活家電製品の家電量販店における消費増税前後の販売動向を発表した。それによると、生活家電は2013年10月以降徐々に需要が高まり、ピークの2014年3月は金額ベースで前年から9割増となったという。
この調査は全国の家電量販約4000店の販売実績を集計したものに基づいている。消費増税の決定を受け、生活家電の販売金額は決定直後の2013年10月から増税施行直前の14年3月まで前年を上回って推移した。ピークとなった14年3月は金額前年比9割増を記録、10~3月の期間計では同3割増となった。
市場を牽引したのは冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった大型生活家電で、特に高価格帯において需要の大幅な増加がみられたという。増税後、特需の反動減から4月は前年の販売金額を約3割下回ったが、5月は1割減にまで回復した。13年10月から14年5月までの期間計でみると、金額前年比は2割増となっており、増税前のプラスの影響がまだ大きい。ただ、6月前半(2~15日までの2週間)の販売金額は前年比1割減となっている。気候も大きく影響するが、前年水準への回復がいつになるか注目されるとしている。
また、生活家電を大型と小型に分けて見ると、駆け込み需要のピークはいずれも3月であったが、大型生活家電は10月から早々に増加が見られたのに対し、小型生活家電は3月に一極集中した。10~3月計の金額前年比は大型生活家電が5割増、小型生活家電が1割増となった。大型生活家電は、多くが生活必需品であり、家電製品の中でも価格が高く増税による影響が大きいため、この機会に買い替えを決めた消費者が多かったと考えられる。また、住宅購入に伴う、転居時の購入が増加したことも伸長の一因と分析している。
大型生活家電は、冷蔵庫や洗濯機で大容量モデルの販売が急増するなど、高価格帯が堅調であったため、販売台数より金額面での押し上げが特に大きかったという。また、冷蔵庫や洗濯機の高価帯製品は例年、夏のハイシーズンに向けて価格が下がるが、需要が前倒しされ、価格が高値で安定したことも金額面で寄与したといえるとしている。小型生活家電では、クリーナーや電子レンジ、炊飯ジャーを中心に家事家電、調理家電の増加が目立った。中でも、クリーナーは拡大基調のハンディータイプ・スティックタイプに加え、キャニスタータイプやロボットタイプも伸長し、3月の販売金額は前年の2倍となった。
増税後の14年4、5月の販売をみると、小型生活家電は大型生活家電に比べ、増税前の伸びが高くなかった分、反動減も小幅にとどまっており、回復は早い。小型生活家電の金額前年比は4月が2割減、5月が1割減、6月上旬では数%の微減となっており、近く前年の水準に戻ると見られる。一方の大型生活家電は、4月は3割減まで落ち込み、その後5月は1割減、6月上旬も1割減となっている。大型生活家電の中でも、洗濯機は金額ベースではほぼ前年並みまで回復しているが、夏商戦の中心となるエアコンや冷蔵庫は天候に左右される部分が大きく、大型生活家電の今後の回復は気温の上昇次第とみている。(編集担当:慶尾六郎)