取調べ可視化へ早期の法改正を 連合事務局長

2014年07月12日 10:49

 連合の神津里季生事務局長は取調べの可視化へ、法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会が9日に行った答申内容について「改革の出発点」と一定の評価をしたうえで、政府に対し「答申に基づく改正法の早期国会提出と成立を心から望む」との談話を発表した。

 神津事務局長は「取調べの録音・録画制度については、法制度として義務化される録音・録画の範囲が裁判員裁判対象事件と検察独自捜査事件に限られた点は誠に残念だが、義務化の対象外とされた事件以外の取調べであっても検察の運用によって可能な限り幅広く録音・録画がなされること、法施行後にこの理念に則った見直しが行われることが確認されたことは大きな改革の第一歩になる」と評価した。

 一方で、神津事務局長は「振り込め詐欺などの犯罪に対応することを目的に通信傍受の対象範囲が拡大された」とし「具体的な制度設計や実際の運用に際しては通信傍受に関わる労働者に対して過度な負担が生じないこと、憲法上の重要な権利である通信の秘密が侵害されることがないよう強く求める」と慎重な運用を求めた。

 このほか「身柄拘束の在り方については必要最小限の範囲を超えて身柄拘束が過剰に運用されるケースがあることは当事者の体験談からも明らか」として「より適正な運用とともに身柄拘束の判断にあたっての考慮事情が法律上一層明確にされなければならない」と不断の改革を要請している。(編集担当:森高龍二)