輸出から輸入を差し引いた貿易収支が24か月連続赤字になった。6月の赤字は8222億円。昨年同月に比べ3.55倍に膨れた。財務省が24日発表した。
それによると6月分は輸出で半導体など電子部品(前年同月比8.7%減)、有機化合物(12.8%減)、鉱物性燃料(18.3%減)などが大幅に減少するなど、総額で5兆9396億円と対前年同月に比べ2%減になった。
一方、輸入は原粗油が前年同月に比べ8.3%増、石油製品は35.5%の増、液化天然ガスは7.6%増など高い伸びをみせ、輸入総額は6兆7619億円と前年同月に比べ8.4%の増になった。為替レートで昨年6月に比べ1ドル2円15銭円安になったこともある。
こうした貿易収支連続赤字が長引けば「原子力を火力で代替するための燃料費負担は年間3兆6000億円に上っており、電気料金上昇の大きな要因となっている。化石燃料依存度の上昇はエネルギー安全保障上のリスクをかつてなく増大させている」(日本経団連)とする経済界や原発再稼働推進派から、原発再稼働促進材料として声が強まることが予想されている。(編集担当:森高龍二)