総務省は、17日までに今年の6月の熱中症による緊急搬送等の状況報告を行った。
報告によれば、平成26年6月における全国の熱中症による緊急搬送人数は、4,634人。昨年同時期の救急搬送人員数は4,265 人であり、1.1 倍増となっている。発症者の年齢別では、高齢者(65 歳以上)が 2,205 人(47.6%)と最も多くなっており、次いで成人(18 歳以上 65 歳未満)1,551 人(33.5%)、少年(7 歳以上 18 歳未満)802 人(17.3%)、乳 幼児(生後 28 日以上 7 歳未満)75 人(1.6%)となっている。
搬送先の医療機関での初診時における傷病の程度に関しては、軽症が最も多く 3,125 人(67.4%)、次いで中等症 1,357 人(29.3%)、重症 98 人(2.1%)、死亡 6 人(0.1%)となっている。
都道府県別では、人口10万人当たりの搬送人員数をみると、沖縄県が最も多く13.00 人であり、次いで和歌山県6.64人、岡山県5.85人、秋田県5.62人、京都府5.54人、奈良県5.42人、新潟県5.32件、福島県5.29人、福井5.03人となっている。最も少ないのは神奈川県で1.97人であった。
厚生労働省は、熱中症による死亡者のうち約8割(79.3%)が65歳以上である発表しており、発生場所別では家庭が全死亡者の45.6%ともっとも多くなっている。熱中症というと日の照りつける屋外で生じやすいイメージがあるが、実際には屋外での発生もまた多い。
温度上昇にともなう高温や多湿等が原因となって引き起こされる熱中症は、日射病とは異なり室内でも多く発生する。スポーツや仕事といった動作中に生じる「労作性熱中症」と、日常生活の中で生じる「非労作性熱中症」があり、高齢者に多いのは後者。主な症状は、めまいや吐き気・気分不快・失神・異常発汗等であるが、高齢者は若年者と比較すると当該症状を自覚しにくいため気付いた時には進行していることが多く、ひとたび発症すると悪化しやすいのが特徴。
対策としては、室温は28度を超えないようにし、こまめな水分補給を行うこと。「喉が渇いた」と感じたときには脱水状態であることが多いため、一日1.5リットル以上の積極的な水分摂取を心がけることが大切である。(編集担当:堺不二子)