新日鐵住金<5401>は後場4~6月期決算を発表し、営業利益は6.4%増の596億円で市場予測の678億円を下回り、発表後に下落して5.5円安。売買高8位。神戸製鋼<5406>が後場発表した4~6月期決算は営業利益44.6%増で市場予測を上回り、中間期の営業利益を100億円、通期の営業利益を50億円それぞれ上方修正して売買高3位で3円高。2円の中間配当も復配した。特殊鋼の日本高周波鋼業<5476>は売買高9位に入り11円高で年初来高値を更新し値上がり率4位。4~6月期の営業利益は2.1倍の1億8100万円に拡大し、4~9月中間期見通しは営業赤字から営業黒字に転じている。
三菱マテリアル<5711>は4~6月期の経常利益4%増の業績観測が出たが9円安。ブリヂストン<5108>は1~6月期の営業利益が過去最高の業績観測が出たが73.5円安。ROE12.8%の優良銘柄なので鬼に金棒だが優等生すぎて面白くない? 王子HD<3861>は営業利益25.7%減で市場予測を下回り4円安。他社にならって建築用ガラスを値上げした日本板硝子<5202>は3円高。
第一三共<4568>は後場に4~6月決算を発表し、営業利益が93.9%増だったが3円安。市場予測をわずかに下回ったため。協和発酵キリン<4151>は1~6月中間期決算を発表し、営業利益は184億円で32%減でも従来見通しの160億円は上回り、通期見通しも40億円上方修正。がん免疫療法でアストラゼネカと開発提携契約を締結したと発表し、野村證券がレーティングを引き上げて68円高で年初来高値を更新した。ハウス食品G<2810>は4~6月期が35%の経常減益になり131円安で値下がり率13位。江崎グリコ<2206>は4~6月期の純利益が3.1倍の110億円になり、164円高で年初来高値を更新し値上がり率9位だった。
住友商事<8053>は後場に4~6月期決算を発表し、四半期純利益が14.7%減で市場予測を下回ったため18円安。三菱地所<8802>も後場に4~6月期決算を発表し、営業利益3.6%減で16.5円安だった。
業種別騰落率トップは海運セクター。バルチック海運指数が6日続伸した上に昼休みの4~6月期決算発表を背景に後場一段高。とは言っても中身はふるわず円安と悪材料出尽くしに助けられた。日本郵船<9101>は経常利益4.7%増で市場予測より上だったが通期経常利益見通しは50億円下方修正。それでも売買高12位で11円高。商船三井<9104>は経常利益は50.7%減。通期経常利益予想は200億円下方修正し、ともに市場予測を大幅に下回ったが売買高10位で13円高。川崎汽船<9107>は経常利益40.8%減、通期見通しの売上高は2億円上方修正し、経常利益は4.8%増の340億円の据え置きで市場予測を下回ったが売買高6位で11円高だった。
ANAHD<9202>は空の競争が激化しているミャンマーの航空会社への出資をとりやめると発表し売買高13位に入り5.8円高で年初来高値更新。登山と同じで状況が悪ければ「引き返す勇気」も大事。JXHD<5020>は後場に4~6月期決算を発表し経常利益は79.5%の大幅減で市場予測を下回った。4~9月中間期見通しの経常利益を損益トントンから450億円に上方修正し、通期の経常利益も350億円上方修正して対前年同期比の減益率が縮小しても2円安。任天堂<7974>の4~6月期は「ニンテンドー3DS」の販売台数約4割減が響き売上高は8.4%減の746億円、営業損益は94億円の赤字で前年同期から赤字幅が45億円拡大し4年連続営業赤字と深刻。最終損益は前年同期の86億円の黒字から99億円の赤字に転落し売買代金12位、800円安で値下がり率17位になりその他製造セクターを業種別騰落率最下位にした。それでも営業黒字に転化する通期見通しは据え置き。ゲーム関連のKlab<3656>は売買代金10位に入り224円高で年初来高値を更新し値上がり率3位だった。
新興市場の日経ジャスダック平均は0.51%下落、東証マザーズ指数は1.77%上昇。売買を伴って上昇したのは、コロプラ<3668>がストップ高で買えなくなり「東京がダメなら名古屋があるさ買い」で970円高のミクシィ<2121>、665円高のサイバーダイン<7779>、110円高の日本マイクロニクス<6871>などだった。7月2日上場の直近IPO銘柄VOYAGE(ボヤージュ)<3688>は10~6月決算を発表し経常利益は14.4億円で、通期経常利益見通しを26%上方修正し過去最高益を上積み。一時上場来高値まで190円に迫ったが終値10円安。セカンダリーでまたひと稼ぎできたら、セ・トレボン?
この日の主役はゲーム関連のコロプラ。807億円の商いで売買代金トップになりストップ高の700円高で値上がり率2位に入った。スマホゲームが好調で9月期通期の営業利益見通しを180億円から227億円に上方修正。ほぼ市場予測通りだが、リリースされたばかりの新作アクションRPG「白猫プロジェクト」が「魔法使いと黒猫のウィズ」を超えるヒットを飛ばせると期待されて盛り上がった。経営陣や投資家にとっては、黒いネコでも白いネコでも稼いでくれるネコは良いネコだ。(編集担当:寺尾淳)