週明け28日のNYダウは22ドル高で4日ぶり反発。NASDAQは4ポイント下落した。中古住宅販売仮契約指数が市場の増加予測と逆に前月比1.1%減少し序盤は82ドル安まで下げたが、ダラス連銀製造業景況指数が堅調で、ダラー・ツリーによるディスカウンター同業ファミリー・ダラーの買収など「マージャー・マンデー」でM&Aのニュースが相次いだのが刺激になりプラスに浮上した。ダラー・ツリーは1.2%上昇、ファミリー・ダラーは24.9%大幅上昇。29日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は136円台後半で、やや円安に振れていた。
CME先物清算値は15565円。取引時間前に経済指標が3本発表され、6月の労働力調査の完全失業率は3.7%で5月から0.2ポイント悪化し、有効求人倍率は1.10倍で0.01ポイント上昇してバブル末期以来22年ぶりの高水準。家計調査の実質消費支出(2人以上世帯)は3.0%減。商業販売統計の小売売上高は全体が0.6%減、既存店ベースの大型店全体は1.8%減、百貨店は2.4%減、スーパーは1.4%減、コンビニは0.2%増だった。
受渡ベースで実質8月相場入りの日経平均は35.39円高の15564.79円で始まる。TOPIXもプラス。先物が15600円にタッチし、現物も午前9時7分に15594円まで上昇して折り返すと始値近辺でのもみあいが続いた。9時45分頃から再び上昇し、ドル円が101円90銭付近まで円安が進むと先物主導で10時7分に15600円を突破。10時16分に15629円でピークをつける。しばらく15600円を上回っていたが、上海、香港市場は6日続伸で始まっても10時45分頃から15600円をサッと割り込む。そのまま15580~15590台で推移して、前引けは15589円だった。
後場は少し高く再開して約10分後に再び15600円台に乗せる。午後1時台になると前場のピークに迫り15630円をうかがう動き。少し下げても、2時すぎに為替のドル円が久しぶりに102円にタッチすると再び上昇した。ユーロ円も137円にタッチして円安進行。しかし日経平均は15610~15630円のレンジからはみ出さない小動きが続く。2時31分には15632円まで上昇したが、終盤は15620台から少し抑えられ終値は88.67円高の15618.07円で3日続伸し15600円台を回復した。日中値幅は76円と小さい。TOPIXは+4.34の1290.41で1290台に乗せた。売買高は16億株、売買代金は1兆5819億円で19日連続の売買代金2兆円割れ。「売買高を伴わない上昇は信頼を欠く」というジョセフ・E・グランビルが残した言葉が気になる。
値上がり銘柄は1031で全体の56%を占め、値下がり銘柄は618。値上がりは23業種、値下がりは10業種。プラス上位業種は倉庫、鉱業、情報・通信、不動産、小売、医薬品など。マイナス下位業種は石油・石炭、その他金融、銀行、パルプ・紙、保険、金属製品などだった。
日経平均採用225種は値上がり148銘柄、値下がり62銘柄。プラス寄与度1位は4日続伸したファーストリテイリング<9983>で+26円、2位はKDDI<9433>で+4円。マイナス寄与度1位は6日ぶりに反落したファナック<6954>で-8円、2位はTDK<6762>で-5円だった。
メガバンクは、みずほ<8411>は1.1円安、三菱UFJ<8306>は2円安だったが三井住友FG<8316>は2.5円高。りそなHD<8308>は売買高10位で23.5円安、あおぞら銀行<8304>は同14位で7円安と売り込まれ、銀行セクターは業種別騰落率がマイナスだった。野村HD<8604>はイタリア政府が143億円分の資産を押収したという報道もあり4.4円安だった。
日産<7201>は前日に4~6月期決算を発表した。国内は駆け込み需要の反動減で販売台数0.5%減でも中国、北米、ヨーロッパで好調でグローバル販売台数は6.0%増の124万台。売上高は10%増の2兆4656億円、営業利益は原価低減努力が実を結び13.4%増の1226億円で市場予測の1100億円を上回り、純利益は37%増の1121億円。2ケタ増収増益を好感され野村證券がレーティングを引き上げ、売買高6位、売買代金2位と買われて18.5円高で年初来高値更新。しかし、2期連続の下方修正で懲りたのか、慎重を期して通期の業績見通しは据え置いている。
マツダ<7261>は旧・住友銀行の肝いりで1979年開始以来35年も続いたフォードとの協業関係を解消すると報じられ4円安。関係が保有比率2%まで冷えていたフォードは、タイの合弁工場の小型車生産設備をマツダに「財産分与」してお別れ。それがお互いのため? トヨタ<7203>は値動きなし、ホンダ<7267>は30円安だった。
保有資産の見直しを進めるソニー<6758>は、東京港区の20階建ての本社の敷地をビルを所有するソニー生命に売却すると発表。売却額は528億円で通期業績見通しに与える影響は軽微と言うが14.5円安。パナソニック<6752>はテスラ・モーターズと共同でアメリカに電気自動車(EV)用の電池工場を建設することで基本合意と報じられ1円高。富士通<6702>はみずほ証券がレーティングと目標株価を引き上げて8.6円高。売買高4位、売買代金3位の日立<6501>も12.7円高で6日続伸したが、東芝<6502>は3.4円安、シャープ<6753>は2円安とふるわなかった。