中国などのアジア地域、そして北アメリカやヨーロッパなどでの販売が好調に推移したことなどが影響して、三菱自動車<7211>の2014年第1四半期(4月~6月)の連結決算が増収増益となった。また、為替市場で円相場が円安ユーロ高に推移したことも影響したようだ。
30日、三菱自動車が14年第1四半期の連結決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比25.8%アップの5137億円、本業のもうけを表す営業利益は前年同期比93.1%アップの309億円、最終利益は前年同期比71.3%アップの281億円という結果であったことがわかった。また、営業利益、最終利益ともに過去最高を更新した。営業利益についてはこれで5期連続のプラスとなった。
販売台数を見てみると、4月に行われた消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減の影響により、国内の販売台数は前年同期比2%ダウンの2万7000台。駆け込み需要の受注残により前年同期並みの水準をキープしたものの、登録車は前年同期を下回った。しかし中国や北アメリカ、ヨーロッパなどの地域での販売台数がそれを補った。世界販売台数は前年同期比3.6%アップの25万8000台。主力市場であるタイにおいて、政府主導による購入促進策が終了したことや、また政治状況の不安定さから販売台数がマイナスとなったものの、北アメリやヨーロッパが補てんする形となり前年同期を上回った。
こうして販売が好調に推移した北アメリカとヨーロッパだが、特に北アメリカでのスポーツ用多目的車の販売台数が伸び、前年同期比22%アップの2万8000台という結果であった。またヨーロッパもプラグインハイブリッド(PHV)自動車「アウトランダーPHEV」の販売を開始したことにより、前年同期比11%アップの5万2000台と台数を伸ばした。
三菱自動車は今回の結果について、コスト削減の努力、また円高是正による為替好転により増益となり、想定通りのスタートを切ることができたとの見解を示している。また通期の業績予想については、期初の予想をそのまま据え置いた。(編集担当:滝川幸平)