自動車4社の出資で新会社「日本充電サービス(合同会社/略称NCS)」設立

2014年06月04日 07:49

CHAdeMO

日本の充電方式「CHAdeMO」規格の急速充電設備の一例

 本格的な電気自動車の時代を見据えた新会社が設立された。2014年5月26日に誕生した、新会社「日本充電サービス(合同会社/略称NCS)」である。

 このNCSは、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研、三菱自動車の自動車メーカー4社による共同出資で設立された。昨年7月に4社が発表した、「利便性の高い充電インフラネットワークの構築を推進する」との考え方を具現化する組織である。PHV(プラグインハイブリッド車)/EV(電気自動車)など電動車両用充電器の設置活動、および充電設備の充実による電動車両の普及促進を図り、日本が進める充電方式「CHAdeMO(チャデモ)」規格を先行設置することで、EV向け充電器の国際規格の主導権争いで日本が主導権を握っていく、という思惑もある。

 「CHAdeMO」が国際規格となれば、日本の充電機器メーカーやそのサプライヤーなど関連産業への波及効果も期待される。そのため、日本政策投資銀行(DBJ)の「競争力強化ファンド」を活用して臨む予定だ。

 PHV/EVなど電動車両は、大都市部の次世代モビリティとして重要な牽引役を担っている。その普及には、重要なインフラである充電器の早期設置が必要だと言われてきた。

 昨年11月12日、自動車メーカー4社は、政府の補助金ではまかないきれない充電器設置者の費用を、社会インフラ整備の一環として支払っていく仕組みを発表し、設置申請の受付を開始していた。

 これは、自治体などで策定している次世代自動車充電インフラ整備ビジョンに基づいた公共性の高い充電設備のなかで、商業施設や宿泊施設等の「目的地充電スポット」、高速道路のサービス&パーキングエリア、一般道路沿いのコンビニエンスストアや道の駅などの「経路充電スポット」といわれる一定の要件を満たす業種・業態の施設内に設置されるものを対象としている。現時点で複数の商業施設、旅館/ホテル、コンビニや高速道路事業体が充電器の設置を開始している。充電器の管轄はNCSが行ない、充電設備設置者にはNCSの運営する充電インフラネットワークに加盟する形態をとる。

 自動車メーカーは、電動車両ユーザーへ「充電カード」を発行し、このカードを使うことでNCSが管轄するすべての充電設備をいつでも利用できるようにする。年内に、電動自動車ユーザーが、NCS運営の元で利便性の高い充電インフラネットワークサービスを利用できるようにしたいとしている。(編集担当:吉田恒)